「ロボットのChatGPTモーメントは近い」―─上場した中国ロボット大手Unitree CEO(2/2 ページ)

ロボットソフトウェアの大きな飛躍、なお数年先

 一方、ロボットのソフトウェアにおける大きな飛躍は、楽観的なシナリオで2~3年以内、遅くとも5~10年以内に実現する可能性があるとした。

 ロボティクスコンサルティング会社の独Stielerでオートメーション部門を率いるGeorg Stieler氏は、「世界ロボット大会を取り巻く空気やUnitreeの華々しいIPOと比べると、王興興氏は現在の技術水準について際立って冷静だった」と指摘した。

 業界データによると、Unitreeはロボット犬(四足歩行ロボット)では世界最大のメーカーで、人型ロボットでは出荷台数で世界2位につけている。

 同社は、ロボットによるダンスやカンフーの精巧なパフォーマンスを中国のテレビ番組などで披露し、一躍有名になった。現在は工場など実際の産業現場への導入も進めている。IPOの目論見書によると、顧客の大半は大学や研究機関だ。

 中国のロボットスタートアップGalbotの創業者・王鶴氏は、業界の「ChatGPTモーメント」が2028年までに訪れるとみる。同氏はそれを、ロボットが特別な訓練なしに日常的な作業の7〜8割程度をこなせるようになる時点と定義している。

 「データの蓄積が続き、技術的なブレークスルーがさらに進めば、2028年までに身体性AIの『ChatGPTモーメント』に到達するとみている」と同氏は述べた。

Unitree、「世界モデル」に注力

 Unitreeの王氏は、同社が現在、資金と人員を最も多く投じているのは世界モデルの分野だと説明した。一方、フィジカルAIモデルの実環境への応用については、「後れを取っている」と語った。

 また、人型ロボットはまだ大規模導入できるほどの能力には達していないと指摘。ロボットの意思決定や周囲とのやり取りを担うAIモデルの性能上の限界が、業界最大のボトルネックだとした。

 それでも王氏は、AIブームが加速し、AIの言語モデルが自ら改善する能力を身につけていくことで、人型ロボットは今後10年間、急速に自律進化する時代に入ると予想している。

中国、世界の人型ロボット市場をほぼ独占

 中国の人型ロボット業界団体が20日に公表した報告書によると、中国は今年上半期だけで4万台を超える人型ロボットを出荷し、世界の出荷台数の97%を占めた。

 中国政府は、人口減少による労働力不足に直面する中で、単調で付加価値の低い作業や危険な作業を、将来的にロボットで代替できると期待している。

 人型ロボットは工場や物流倉庫で徐々に導入されているものの、大半の用途では依然として人間の作業員より効率が低い。

 人型ロボットは、米中の技術覇権争いにおける新たな競争分野にもなっている。

 米連邦通信委員会(FCC)は先月、安全保障上の懸念を理由に、外国製の人型ロボットや四足歩行ロボットの今後の輸入を禁止した。中国メーカーにとって大きな打撃となった。

 北京で開かれた世界ロボット大会に参加した複数の企業はロイターに対し、海外展開の拡大を検討していると明らかにした。

出典:ロイター
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