NVIDIA、Google、Emerald AIがAIデータセンターの電力消費調整を目指すアライアンス設立 Anthropicも参加
米NVIDIA、米Google、データセンターの電力消費を制御するソフトを手掛ける米新興企業Emerald AIの3社は9月16日(現地時間)、電力網の状況に応じてデータセンターの消費電力を動的に調整する「柔軟なデータセンター」の普及を目指す業界団体「AI Energy Management Alliance」(AEMA)を設立したと発表した。
創設メンバーの3社に加え、米Anthropic、米National Grid、米AESなど18社が発足時のパートナーとして参加する。
NVIDIAによると、米国のAIインフラ拡大では電力が最大の制約になっているという。送電網への接続手続きは消費電力がほぼ一定の施設を前提に設計されており、電力需給が逼迫した際に消費電力を機動的に下げられる計算基盤は想定していない。これに対し、柔軟なデータセンターは、計算処理の実行タイミングをずらしたり、併設した発電設備を使うなどの方法で受電量を調整でき、電力を制御可能な資源として扱えるとしている。3社は、これにより既存の送電網をより効率的に使い、高コストな設備増強を先送りできるほか、電力会社がより短い期間でAI施設を接続する判断をしやすくなると説明している。
受電量の調整は、Emerald AIのソフトウェア「Emerald Conductor」が担う。同社は2024年設立で、米ワシントンD.C.に拠点を置く。アリゾナ州の米Oracleのデータセンターでは、ピーク時にAIクラスタの消費電力を25%削減したとしている。NVIDIAは同社に出資している。
AEMAは特定の技術を前提とせず、応答速度や継続時間、緊急時の挙動などの実際に提供可能な実効性能に基づいて評価する方針を掲げる。接続前に果たすべき義務を明確に定めることや、技術要件と性能指標の標準化、検証可能な柔軟性を約束する需要家への迅速な接続経路の整備などを原則として挙げた。
理事長には、Googleで先進エネルギー市場イノベーションを担当するタイラー・ノリス氏が就く。同氏はXへの投稿で、従来型の送電網増強を5~7年以上待つ代わりに、年間100時間未満の受電削減で数十GW規模の容量を解放できるとする研究が複数あると指摘した。Googleは全米の電力契約を通じ、必要時に削減できる1GW分の需要をすでに確保しているという。
背景には、米国各地で強まるデータセンターへの反発がある。同日公開されたAP-NORCとシカゴ大学エネルギー政策研究所の調査では、米国人の84%が地域の電気料金への影響を懸念していると回答した。送電網の増強費用をデータセンター開発事業者に負担させるべきとの意見には、民主党支持者の79%、共和党支持者の76%が賛成し、党派を超えて一致している。米Axiosによると、NVIDIAは、AEMA発足前の記者向け説明会で「これは本当に三方良しの解決策だ」と述べた。
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