暗闇で50メートル先が見える 「暗視目薬」が開発される
暗闇でものを見ることができるようになるという“暗視目薬”を作成したことを米国の科学団体が明らかにした。効果は永続しないが、森の中で50メートル先の人を見分けることもできたといい、使用後も問題は起きていないという。
開発したのは「Science for Masses」(大衆のための科学)で、専門家ではなく一般の人々がより科学を利用できるようにするために研究を進めている独立団体だ。
目薬は「Ce6」(Chlorin e6)と呼ばれる物質とインシュリン、生理食塩水でできている。Ce6は深海魚などが持っていることで知られ、がんの治療などにも使われているという。
目薬をテストしたところ、1時間程度で効果が現れ、暗闇の中10メートル離れた場所に表示した記号を当てるテストで高い正答率を出し、さらに森の中で50メートル離れた先の人を見分けることができたという。
効果はしばらく続き、その間サングラスを外せなかったというが、睡眠後の朝には元に戻っており、それから20日後も特に影響はないという。
人の目は、明暗については感度の高い「桿体細胞」を使い、色を認識するための「錐体細胞」は感度が低く、暗いところでは色がほとんど分からない。目薬は桿体細胞の働きを高めるのかもしれない。
同団体は目薬の成分などを記した報告をクリエイティブ・コモンズライセンス(表示 - 継承 4.0 国際)で公開している。Ce6による暗視能力の強化は2012年に特許登録されており、今回の目薬はこの特許情報を活用しているという。Science for Massesは「論文や特許文書への容易なアクセスは、未来の科学者にとって極めて重要なことだ」としており、同団体の医学部門責任者、ジェフ・ティベッツ氏は「サイエンスは限られたエリートだけが理解できる神秘的な言葉ではない」と述べている。
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