海賊版サイトブロッキング問題、壇弁護士など連名で意見書 賛同募る
海賊版サイトのブロッキング問題について、ネット上の権利侵害を多く扱う弁護士が8人が連名で意見書を公表した。ブロッキングは「極めて副作用が大きい」と慎重な検討を求め、プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求など現行法で行える対策を、十分なスキルを持つ弁護士に依頼することなどを提言。賛同者を募っている。
意見書は、弁護士の壇俊光さん、板倉陽一郎さん、唐澤貴洋さん、神田知宏さん、清水陽平さん、中澤祐一さん、山口貴士さん、吉井和明さんの連名。
意見書では、海賊版サイト対策について、「運営者を特定して、海賊版サイトに対する差止め・損害賠償等がなされることが本来的な方法」と指摘。まずプロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求などを使い、コンテンツ事業者が、海賊版サイト運営者を特定するべきだと指摘する。
大規模な海賊版サイトは、CloudflareをはじめとしたCDN事業者を通じて日本のデータセンターからコンテンツを配信しているため、「CDN事業者に対する発信者情報開示請求をすれば、運営者を特定することもできる」と指摘。CDN事業者に送信防止を求める裁判・仮処分も行える他、CDN運営元の米国法人に対しては、米国の裁判所での匿名訴訟や、DMCA(米デジタルミレニアム著作権法)に基づく検索結果の削除要請などの方法もあると説明し、これらの対策を、十分なスキルを持った弁護士に依頼し、裁判手続きを行うことを求めている。
また、ブロッキングは「通信の秘密に対する重大な制約を伴う」「違法行為を行っていないユーザの知る権利を制限する」「海賊版とは関わりないユーザの通信の秘密を侵す」などの問題があり、「極めて副作用の大きな方法」だと指摘。「ブロッキングの前に、事業者が相応の費用を負担してでも対策をする責務がある」とする。
ただ、現行のプロバイダ責任制限法では開示が認められる範囲が限定されているなど問題が多いとし、法改正を希望。日本のデータセンターに対する法的措置が行えるような立法や、海賊版サイトの収入源である広告を配信する広告事業者・代理店への出稿停止請求、契約相手の開示請求が認められるよう立法を検討することなどを求めている。
もしブロッキングが法制度化されるなら、名誉毀損やプライバシー侵害などの権利侵害の救済についても、ブロッキングが認められることを期待するとしている。
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