凸版印刷は11月5日、最終印刷物の仕上がりの色調をディスプレイ上で確認できる「カラーマネージメントクラウドサービス」を開発し、11月から運用を始めると発表した。高精度なカラーマネジメントエンジンをクラウドサービスとして提供。遠隔地の複数人がオンラインで色校正するといったことが可能だ。
カラーマネジメントとは、ディスプレイやプリンタ、印刷物など、基本色や色域が異なるデバイス間で色を調整し、表示色を統一する技術。
新サービスは、プロセスカラー(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色)だけでなく、特色(インキ会社や印刷会社が独自の配合で作った色)にも使える高精度なカラーマネジメントエンジンをクラウドサービスとして提供するもの。印刷方式や使うインキ、用紙などの条件を入力すると、カラーマネジメントエンジンがプロファイルを作成。レイアウト済みの紙面PDFデータをアップロードすることで、ディスプレイ上で実際の最終印刷物と同じ色調を表現する。
用紙は主な素材全てに対応。印刷方式はオフセット印刷、UVオフセット印刷、グラビア印刷に対応し、出版印刷、商業印刷、パッケージ印刷など異なる分野でも使えるという。印刷物を観察する照明の色温度に合わせた表示も可能。印刷機やデジタル出力機の種類ごとの特性情報も使い、色味や発色など精度の高い色予測が可能としている。
クラウドシステムのため、自社内だけでなく、社外や複数拠点で利用でき、複数人で最終印刷物の色確認が可能だ。
同社は、新サービスによるオンライン校正システムや、設計段階での色再現シミュレーター用途での展開をはかり、2020年に約70億円の受注を目指すとしている。
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