ホンダ、最大6900億円の最終赤字に EV事業見直し 「Honda 0」シリーズも開発中止
本田技研工業は3月12日、2026年3月期の通期業績予想を修正し、最終損益が4200億円から最大6900億円の赤字になる見通しを発表した。前回予想は3000億円の黒字だったが、上場来初の赤字転落となる。EV市場の低迷を踏まえ、「Honda 0シリーズ」を含む北米向けEV3車種の開発・発売を中止した。
ホンダは2021年、カーボンニュートラルへの対応として、40年に世界で販売する新車を全てEVとFCVにすると発表。25年のCESでは、新型EV「Honda 0シリーズ」を発表していた。しかし、米国によるガソリン車の規制緩和やEV補助金の見直しなどを筆頭に、世界中でEV市場の成長鈍化が顕在化。米国による関税政策や、EV開発へのリソース投入によるアジアでの商品競争力の低下なども重なり、四輪事業の収益性が悪化していたという。
特に、中国やアジアでは、燃費や室内空間などのハードウェアから、アップデートなどで進化を続けるソフトウェア領域にユーザーの関心が移行。新興EVメーカーが、短期間での車両開発やADAS(先進運転支援システム)をはじめとしたSDV(ソフトウェアで定義される自動車)領域を強みに急速に台頭し、競争が激化。
「これらの事業環境の変化に柔軟に対応できなかったこと、関税影響によるICE/ハイブリッド車の収益悪化など、さまざまな要因が重なり、Hondaの四輪事業は極めて厳しい収益状況に陥ることとなりました」(ホンダ)
これにともない、ホンダは販売を予定していたHonda 0シリーズ「Honda 0 SUV」「Honda 0 Saloon」と「Acura RSX」の生産中止を発表。同3車種の生産に使用予定だった関連資産の除却・減損損失、販売や開発中止に伴う追加支出に関する損失などを計上予定。2026年3月期連結業績において、8200億円~1兆1200億円の営業費用、1100億円~1500億円の持分法による投資損失、同期の個別業績においては3400億円~5700億円の特別損失が見込まれている。
また、来期以降の連結業績において、EV戦略の見直しに関連する追加費用・損失が計上される可能性があるとしており、今回の電動化戦略見直しに関連する損失の累計は、26年3月期の損失と合わせて最大で2兆5000億円と試算しているという。
今後の方針としてホンダはハイブリッド車の強化を打ち出す。主要市場の日本・米国・インドでのモデルラインアップ拡充とコスト競争力強化を図るほか、その他アジア各国でも次世代ハイブリッド車の投入を進める考えだ。EVの新規投入は「収益性や需要動向とのバランスを見ながら長期的な視点で柔軟に行う」としており、四輪事業の中長期戦略の詳細は5月の会見で発表する予定だという。
今回の業績悪化を受け、代表執行役社長と副社長は2027年3月期の月度報酬30%を3か月分自主返上する。両氏の2026年3月期の業績連動賞与は不支給とし、年間報酬は基準額に対して25~30%の減額になるという。配当予想は変更しない。
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