再生から攻めに転ずるパワードコム
電力系通信会社のパワードコムは3月以降、法人向け新サービスを相次いで投入する。回線の信頼性を高めるサービスや、セキュリティ強化サービスなどをラインアップ。中堅企業や公共・金融分野を中心に売り込む。手薄だったエリアにも営業を拡大して顧客層の拡大に努める一方、無線LAN対応携帯電話の普及をにらんだ独自インフラの構築を進めるなど、積極策に打って出る。
昨年6月、米SCM大手のi2 TechnologiesでCOOを務めた中根滋氏が社長に就任し、データ通信サービスの低価格化と競争激化で不振に陥っていた同社の再生を進めてきた。個人向けISPはドリーム・トレイン・インターネット(DTI)に、電話事業はフュージョン・コミュニケーションズにそれぞれ統合し、本業の法人向けデータ通信に集中する体制を構築した。
その結果、「今年度の法人事業は売り上げで前年度比10%伸びた」(野呂良材専務執行役員)と明るい兆しが見えてきた。特に公共・金融など信頼性が要求される分野と中堅企業向けが好調。17種類の新サービスを矢継ぎ早に投入し、攻めに転じる。
新サービスの売りは、電力系ならではのネットワークの信頼性と、強固なセキュリティや利便性。4月開始の「どこでもオフィス」は、情報漏えいを防ぎながら社内LANにリモートアクセスできる。リモートからはデータは参照のみが可能で、ダウンロードできない仕組みだ。8月スタートの「Powerd Ethernet type D」は、エッジスイッチとアクセス回線を二重化して信頼性を高めた。可用性を従来の10倍の99.9999%とし、ダウンタイムを1年間に30秒に抑えた。
国内外で顧客ベースの拡大も進める。従来は首都圏での売り上げが9割を占めていたが、今後は首都圏以外での営業にも注力する。海外展開も本格化し、米MCIなど提携企業の回線を活用して国内企業の海外拠点をサポート。まず7月以降、東アジアから展開し、順次南アジアや欧州に広げる計画だ。
無線LAN携帯への対応は、法人向けモバイルIP電話の需要拡大をにらんだ投資。電柱を活用するなどして各地に無線LANスポットを設け、無線LAN携帯から企業内ネットワークに接続したり、定額で携帯電話を使えるようにする。端末などは提携メーカーが提供し、同社はインフラのみをサポートするモデルだ。
このほかの新サービスは以下の通り。
| サービス名 | 概要 | スタート時期 |
|---|---|---|
| Unify | 複数キャリアの回線を並行利用するユーザーの申し込みやサポート、請求業務を同社が一括で請け負う | 7月 |
| Powerd Ethernet Mobileプラン | 社内ネットワークに外部から直接接続 | 9月 |
| PENeX6 | IP-VPNサービス「PENeX」でIPv6に対応 | 6月 |
| 次世代専用線 | スイッチで専用線とEthernet回線を切り替えられる。専用線からEthernetへの移行を考えているユーザー向け | 2006年中 |
| 安心パック | 同社回線ユーザー向けデータバックアップサービス | 4月 |
| メールセキュリティ・VoIPパック | SOHO・一般向けのネット関連商品パッケージ | 9月 |
| 簡単コンタクトセンター | 応対履歴管理ソフトや通話録音などを低価格にパッケージ化 | 5月 |
| Web Conference | TV会議システムを月々数千円でASP提供 | 7月 |
| ASPサービス | 消耗品の集中公売やヘルプデスク、マネージメントサービスなどをASP提供 | 今夏 |
| どこでもシアター(仮称) | 6000種類以上のコンテンツをストリーミング提供。ネット事業者向け | 5月 |
| 災害対策コンサル | 災害時のリカバリー手順を標準化し、最適なインフラを提案 | 提供中 |
| おまかせパック | コンサルティングから提案、設計、サポートまでワンストップで提供 | 提供中 |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
日本人の大腸がん、約半数に“腸内細菌の毒素”が関与 40歳以下の発症は7割 東大・阪大が200人を全ゲノム解析
-
2
「コミューン」不正アクセスでLINEヤフー、Sansan、パナソニックでも会員情報漏えいの可能性
-
3
「お前たちのクラウドはわれわれのもの」 IDCFクラウドの管理画面に出た攻撃者のメッセージ 内容に運営元は
-
4
履歴書100通に1通「AIだけが読める文字」 20万件調査でわかった“就活ハック”の手口 米研究
-
5
山中で遭難の16歳少年、登山計画に生成AI「Claude」利用 救助隊は「ルートの妄信」警鐘
-
6
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
7
JR東日本、「えきねっと」「ビューカード」などで漏えいか メルアドなど最大609万件 IDCFへの不正アクセスで【追記あり】
-
8
SBI証券、Google・Appleパスキー乗っ取り被害「確認されていない」 注意喚起は他社事案
-
9
OpenAI、安全性研究者3人を解雇 本人らは「安全性を優先したため」と主張、同社は「機密情報の扱いに関する規定違反」と説明
-
10
ブックオフに不正アクセス、最大約643万件の個人情報流出 氏名、住所、ハッシュ化パスワードなど
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR