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» 2004年07月29日 10時34分 公開

「法人事業ナンバーワンを目指す」、パワードコム中根氏が戦略披露

パワードコムの代表取締役社長兼CEOに就任した中根滋氏は7月28日、同社の成長に向けた戦略を紹介した。

[高橋睦美,ITmedia]

 「2006年以降には売上高1兆円を目指す。これは決して大風呂敷を広げた数字ではない」――7月28日に行われた説明会の席で、パワードコムの代表取締役社長兼CEOに就任した中根滋氏はこのように述べ、成長に向けた同社の今後の戦略について説明した。

 パワードコムはこの7月1日付けで、電話事業はフュージョン・コミュニケーションズと、個人向けISP事業はドリーム・トレイン・インターネット(DTI)とそれぞれ統合するという事業再編を行っている。また中根氏の社長就任と前後しながら、組織変更のほか、事業モデルの整理、経営スピードの高速化や商品/ブランド力、営業力の強化といった取り組みを進めてきた。根底にあるのは、中根氏言うところの「超顧客主義」だ。

中根氏 パワードコム再生に向けて社長に就任した中根氏

 同社の2003年度決算は、売上高は約1700億円に上ったものの、経常損益は120億円の赤字。結果として膨らんだ有利子負債2500億円を、減資および東京電力などによる900億円の増資によって、上期中に1870億円にまで減らしていく計画だ。2004年度末にはこれを1500億円にまで減らすとともに、営業損益の黒字化を実現し、財務体質の改善を図るという。

 中根氏は、パワードコムが置かれた苦境の原因は、まずインフラの原価が高すぎる点にあると指摘。しかも、インフラコストの高さを人件費圧縮でまかなおうとした結果、営業力も低下し、値引き競争に陥るという「負のスパイラルに陥っていた」という。

 これまでのサービスは、NTTグループなどの競合起業との間で速さと安さ、納期の短さを競うものとなっていた。「今までは付加価値がないから、最後には値段を削らないといけなかった。今後は信頼性や将来の拡張性といった付加価値を付け、これで勝負できるようにしていく」(中根氏)。それを具体化した例が、先日発表したPENexだという。

 また、パワードコムならではの強みもあるという。その代表例が全国に張り巡らした光ファイバ網だ。中根氏は、ADSLではNTT局から距離が離れるにつれて速度が低下する点を指摘し、「ユビキタスはADSLでは実現できない」と断言。Webサービスやオンデマンドコンピューティングといった環境を支えるネットワークインフラはFTTH以外にないとの考えを示している。

 中根氏の説明によると、今年度から来年度にかけては、いったん屈むことで財務体質と組織の改善を図る時期。あえて「やらないセグメント、やらない商品を決める」ほか、プリセールスとポストセールスを分けるといった組織改善を進め、贅肉を落としていくという。

 これを踏まえて2005年以降は攻勢に転じ、「エンタープライズビジネスの売上高を倍増させ、3000億円前後に伸ばしたい」(中根氏)。その武器として、PEN/PENexはもちろん、RFIDやPLCを組み合わせたソリューションの開発などを視野に入れているという。また、携帯電話事業への参入も示唆した。ただし、「既に日本にはすばらしい携帯電話会社が2社ある」ことから、自社で手がけるのではなく提携などの形を考えている模様だ。

 一連の施策を通じて、最終的には売上高1兆円、「法人事業ナンバーワンを目指す」(中根氏)という。

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