「震度5、10秒後」──CATVで緊急地震速報を一斉配信
「震度5、10秒後」などと地震の発生を知らせる「緊急地震速報」を、CATVを利用して低コストに配信するシステムを、エレクトロニクスメーカーの業界団体・電子情報技術産業協会(JEITA)などが開発し、CATV事業者らが参加して9月から一般の家庭で実証実験を始める。
JEITAが昨年4月から実証実験をしてきた「IT自動防災システム」(関連記事参照)の仕組みを使う。同システムは、気象庁の地震計が感知した初期微動(P波)データから大きな揺れ(S波)の到達時間を計算し、専用端末を設置した家庭に速報する仕組み。
CATV方式では、放送と同じブロードキャスト方式で一斉同報配信が行えるため、インターネット(IP)方式と比べ遅延が少なく、また災害時に公衆網で発生する恐れがある輻輳(ふくそう)にも強い利点がある。
家庭に設置する端末は従来は8万円程度だったが、新端末は1万5000円以下と安価になる見込み。演算部分をCATV事業者が設置するセンター側の機器に受け持たせ、音声告知機能に絞ったことでコストダウンした。また既存のCATVインフラを使えるため、設置も簡単で配信コストが低いのも特徴だ。
CATV事業者は自治体単位でサービスしているケースが多い。端末のID機能などを使い、豪雨や津波の警報なども配信地域を限定して配信する「ピンポイントキャスト」も可能。行政と連携した地域防災対策にも活用できると期待している。
9月から始まる実証実験は、CATV事業者10局が参加して500~1000戸規模で行う。12月以降、CATV事業者を約100局に増やし、端末数を5万~10万台規模に拡大する計画。IP方式を含め、来年度以降に実用化したい考えだ。
当初参加するCATV局は、入間ケーブルテレビ(埼玉県入間市)、大分ケーブルテレコム(大分市)、ケーブルテレビ可児(岐阜県可児市)、シーエーテイーブイ愛知(愛知県半田市)、シー・ティー・ワイ(三重県四日市市)、玉島テレビ放送(岡山県倉敷市)、東京ケーブルネットワーク(東京都文京区)、上越ケーブルビジョン(新潟県上越市)、ハートネットワーク(愛媛県新居浜市)、飯能ケーブルテレビ(埼玉県飯能市)。
気象庁による緊急地震速報システムの先行運用が8月から始まるが、当初の利用者は鉄道会社や病院などに限られている。
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