Appleが検索エンジン開発の可能性 GoogleからiPhoneデータ守るのが狙い?
AppleがiPhoneから収集しているユーザーデータは非常に重要であるため、同社はGoogleがそのデータを調べられないように、特別な検索エンジンを構築しなければならない――アナリストがこのように指摘している。
Piper Jaffrayのアナリスト、ジーン・マンスター氏は、Appleが5年以内にiPhone向けのモバイル検索エンジンを投入する確率は70%としている。
現在、iPhoneのデフォルト検索エンジンはGoogleだ。最大手の検索エンジン――米国で65%、海外でそれ以上のシェアを有している――と人気のスマートフォンを組み合わせるのはビジネス的に理にかなっている。
だがGoogleは次第にAppleのモバイルの領土に侵入してきており、モバイルOS「Android」やモバイルアプリを提供している。
Googleの「Nexus One」がiPhoneと似ていることから、AppleがNexus Oneの製造を担当したHTCを特許侵害で訴えた。Googleが昨年11月に、iPhoneのアプリ内広告配信で成功しているAdMobを7億5000万ドルで買収したことで、戦いは一層激しさを増した。
AdMob買収はまだ規制当局の承認を得ていないが、業界の専門家は、この買収が成立すれば、GoogleはAppleのApp Storeの仕掛けについてこれまでにないほどの情報を得ることができ、それをNexus Oneや今後のAndroidデバイスに生かすことができるだろうと指摘する。
iPhoneの検索プロバイダーとして、GoogleはiPhoneユーザーが何を検索したのかも把握している。このデータは、Googleのスマートフォン向けのソフトやサービスの調整に役立つ。この競争上のアドバンテージをAppleは見過ごしてはいない。
iPhoneを中心とした独自の検索エンジンを構築すれば、AppleがApp StoreのデータをGoogleから守る役に立つと、マンスター氏は3月30日のリサーチノートで述べている。
「AppleはGoogleには手に入らないデータ、App Storeから生まれたデータを利用して、モバイル中心の検索エンジンを構築することができる。Googleの検索エンジンとは違った独自のものになるだろう」(同氏)
Appleは大規模で拡張可能な検索エンジンの開発については経験や技術がない。Microsoft BingなどGoogleに代わる選択肢はあるし、BingはGoogleに代わってiPhoneのデフォルト検索エンジンになるとうわさされている。だがAppleの新製品「iPad」でGoogleがデフォルト検索エンジンになっていることから考えると、AppleがiPhoneの検索エンジンをBingなどほかのサービスに置き換える可能性は低そうだ。
しかしマンスター氏は、AppleはCuilなどのWebインデックスを持つ新興検索企業を買収して、そのインデックスを独自の検索エンジンの基盤に活用する可能性もあるとしている。Taptuなどの新興モバイル検索企業もAppleにはいい選択肢かもしれない。タッチ対応Webサイトのインデックス化に専心しているからだ。
それからAppleは、検索サービスが存続していけるように、広告主の関心を十分に集めなければならない。
Appleは新製品のマーケティングに長けているが、デジタル広告についてはそうではない。同社はAdMobのライバルであるQuattro Wirelessを買収したが、その資産をどう活用するのかをまだ明らかにしていない。
それでもマンスター氏は、利益ではなく重要なユーザーデータを守ることがAppleのモバイル検索エンジンの焦点になると主張している。
「Appleにとって、iPhone OSプラットフォームで生まれたデータの重要性は高まっていくはずだ。同社はこのリソースを生かして、今後5年以内に独自に地図サービスと検索を開発すると確信している」(同氏)
同氏は、Appleは大手の広告主やReachLocal地域広告リセラーに自社の検索プラットフォームを採用してもらい、大規模な広告マーケットを作り出して、検索サービスの費用を回収することができるかもしれないと付け加えた。
IDCのアナリスト、ハドリー・レイノルズ氏は、地域情報検索がモバイルの最初のキラーアプリになるとし、Quattraの広告プラットフォームは、特にTaptuのタッチスクリーン検索と組み合わせると、広告主にとって魅力的な環境になる可能性を持っていると語る。
また、GoogleとBingのiPhoneアプリでは長い検索結果のリストが出てくるため、小さな画面では扱いづらい。さらにこれらアプリは、AppleがiTunes StoreやiPhoneに蓄積したデータにはアクセスできないと、レイノルズ氏は語る。
「次世代サービスは、GoogleやBingのアプリよりももっとタッチデバイスに適したものとなり、ユーザーを彼らにとって最も魅力的な情報消費モデルを提供するサイトに導くだろう」(同氏)
「Appleはより優れたモバイル検索への高まる需要を利用し、ほかの検索企業や端末メーカーとの新たな差別化の要素を加えられる立場にある」
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