「エバーノート株式会社」設立 連携サービス・製品も続々
米Evernoteは6月23日、100%出資の日本法人「エバーノート株式会社」を都内に設立したと発表した。フィル・リービンCEOは「日本は最も重要な市場の1つ」と位置付け、日本人エンジニアを採用して日本向けサービスを強化するほか、パートナー企業との協力も進める。
新たに、画像内の日本語を認識して検索できるようにする日本語文字認識に対応。またNECビッグローブやぐるなび、ぺんてるなどと連携した新サービス・製品も発表した。
日本人エンジニアを採用
日本法人はソニー出身の中島健氏(米Evernote日本担当副社長)が率いる。中島氏はソニーで日本初の音楽配信サービス立ち上げや「mylo」の企画などを担当。VAIO事業本部でEvernoteに出合い、VAIOにEvernoteクライアントをプリインストールするなどの連携を進めた。中島氏は「日本の35万人のユーザーやエンジニア、パートナーと面白い体験を提供していけるのを楽しみにしている」と意気込む。日本法人の会長には、Appleでマーケティングを担当した経験がある外村仁氏が就任した。
日本市場はEvernoteにとって米国(57%)に次ぐユーザー数(18%)を抱える重要市場。EvernoteのAPIを利用している企業の半分は日本企業だという。リービンCEOは「日本のエンジニアの高い創造性に感銘を受けている」と話し、2010年中にエンジニアなど5人を日本法人の社員として雇用する計画を明らかにした。
同日追加された日本語文字認識機能は、有料の「プレミアム」(月額5ドル)で利用できる。写真など画像内の日本語を認識してEvernote上で検索できるようになる。日英混在でも対応可能。手書き文字の認識はまだ難しいが、今後改善していくという。
airpen手書きデータを1クリックでEvernoteに
日本法人設立と同時に、さまざまなパートナーと連携したサービス・製品も発表。ソースネクストは提携第2弾となるiPhone用のEvernote連携名刺管理アプリ「超名刺」を7月に発売。NECビッグローブは「BIGLOBE」からEvernoteサービスを提供。ぐるなびは、飲食店情報をEvernoteに簡単にクリップできる機能を追加する。
ぺんてるは、手書きデータをPCに転送できる電子ペン「airpen」用に、データを1クリックでEvernoteに転送できる専用アプリを公開する。
| パートナー | サービス・製品 |
|---|---|
| ソースネクスト | iPhoneカメラで撮影した名刺を管理できるアプリ「超名刺 Business Card Master」を7月発売。無料版と有料版(350円)の2種類。 |
| NECビッグローブ | BIGLOBEでEvernoteサービスを提供。プレミアムも月額498円で。BIGLOBE会員向けに1クリックサインインなどサービス連携も深める。1年後に10万人獲得目標 |
| アイティメディア | iPadアプリ「ITmedia for iPad」がEvernoteと連携。 |
| ぐるなび | 飲食店情報をEvernoteに簡単にクリップ機能をWeb版に実装。7月中旬以降iPhone/Androidアプリでも対応。 |
| ぺんてる | airpenの手書きデータをEvernoteに転送できる専用アプリを6月30日に公開 |
| バリューイノベーション | A4用紙を使った「保存するメモ帳」のEvernoteバージョンを発売。 |
| アイファイジャパン | Eye-fi Explorer X2をオンラインストアで購入するとEvernoteプレミアム1年分が無料に |
「有料会員の割合が高ければいいというわけではない」
Evernoteの収入源の柱はプレミアム会員からの収入だ。「有料会員の割合を公開している企業は少ない。おそらくあまり愉快な情報ではないのだろう」というリービンCEOは、Evernoteの有料会員率を明らかにした。利用期間が長いユーザーほど有料を選択しており、利用1年のユーザーは8%、2年のユーザーは20%以上がプレミアム会員になっている。使えば使うほど離れられなくなるEvernoteならではの実績だ。
ただ、リービンCEOは「フリーミアム」モデルではゴールをどこに設定するかが重要になるという。ポイントは有料会員の割合ではなく、数だという。
「100万人の有料会員を集めたい場合、2つの方法がある。大量の宣伝広告で支払いをするようにし向けるか、あるいは宣伝広告のお金をサービス改善に役立て、口コミで会員になってもらうか」。後者を選択しているEvernoteにとっては「有料会員割合が多ければいいのではない。有料会員率が高いということは、無料のユーザーを失っていく可能性もあるということであり、もっと無料ユーザーが集まるようにサービスを改良する必要があることを意味する」という。フリーミアムモデルらしい戦略だ。
リービンCEOは「長期的には、有料会員率は5~10%程度が望ましい」としている。
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