iPhoneアプリ開発ツールの制限緩和、Androidの台頭も影響か(2/2 ページ)
AppleがiPhoneアプリ開発ルールを緩和したのは、開発者の不満や規制当局の調査だけではなく、Androidの成功もプレッシャーになったとの見方もある。
しかし、Appleは制限を緩和し、開発者はコードをダウンロードするアプリでなければ、好きなツールを自由に使えるようになったとしている。
Jefferies & Companyはこのニュースについてのリサーチノートで、次のように述べている。「FlashがiPhoneで実行できるようになるのだろうか? 答えはノーだ。Appleはサードパーティーのコードのダウンロードが必要なアプリへの制限は続けると明記している。従って、AdobeのFlashやMicrosoftのSilverlightなどのランタイムは引き続きiPhone、iPadで制限される」
さらにJefferiesは、Appleがスタンスを変えたことは、同社がGoogleのAndroidプラットフォームからプレッシャーを感じていることを示しているのかもしれないと指摘する。Androidは開発者に対しオープンだ。
「Appleが開発ツールの制限を撤廃したのは、Adobeにとってささやかながらいいことだが、Adobe CS5の採用が増える効果は小さいだろう」とJefferiesは述べている。「もっと重要なのは、今回の変更が、AppleデバイスでFlashが許可される前兆なのかどうかということだ」
Adobeのプロダクトマネジャー、マイク・チェンバース氏は4月20日に自身のブログで次のように述べていた。
「基本的には、これ(開発ツールの制限)はUnity、Titanium、MonoTouch、Flash CS5など多数の技術を使ったアプリケーション開発を制限する。Appleが選択的にこの条件を行使する可能性もあるが、われわれは同社がFlash CS5で作られたコンテンツにこの制限を適用すると確信している。開発者はFlash CS5で作成されたアプリとコンテンツがiTunes Storeから削除される(現時点では100種類以上が同ストアにある)ことを覚悟しておくべきだ」
だがモバイルアプリ開発プラットフォームTitaniumを手がけるAppceleratorのジェフ・ハイニーCEOは、Appleが利用規約に対し、iOSアプリ開発ツールへの制限を緩和する建設的な説明をしたと語る。同社は、今回の件は開発者による革新を強く支持し、Appleの長期的なプラットフォームのアドバンテージを強め、App Storeの質を最終的に決定する消費者にメリットをもたらすと確信していると同氏は言う。
「今朝の発表には非常に喜んでいる。Appcelerator Titaniumを使う開発者がこれからもApp Storeにもたらす技術革新を楽しみにしている」(同氏)
この発表は、アプリの承認に関する懸念も取り除くと同氏は語る。
iPhoneアプリ開発者でsax.netの創設者マイク・サックス氏は、次のように話している。「素晴らしいニュースだ。Appleが、ソフトウェアをメディア(音楽や動画など)と同じくらいリスクフリーでアクセスしやすいものにする道を切り開いてきたことを心に留めておくべきだ。これは、これまで長い間ソフトウェアに起きた変化の中で最も素晴らしい。道を切り開くときには、障害に突き当たるものだ。Appleは最初に障害にぶつかり、それをクリアする企業だ。道は険しいかもしれないが、Appleは最終的に、iPhoneユーザーがメディアとソフトウェアを最高に楽しめるようにするために必要なことをやる。それはユーザーにも、開発者にも、Appleにもいいことだ」
EclipseベースのモバイルWeb開発プラットフォーム「MobiOne」を開発するGenuitecの技術担当副社長、トッド・ウィリアムズ氏はこう語っている。「Appleがセキュリティを確保しなければならないというのは理解しているが、彼らがプログラミングへの制限を撤廃したことを賞賛する。GenuitecのMobiOneは改定前のポリシーの影響は受けていなかったが、ISV(独立系ソフトベンダー)がさまざまなiOS向けツールを開発できるようにして、開発者が自由に技術を選べるようにすることは、アプリケーションプラットフォームとしてのiOSの人気を高めるばかりだろう」
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