「モバイル×VR」でイノベーター層を開拓――「革命児」ZenFone ARが創る新世界(2/2 ページ)
CES 2017で発表されたASUSの「ZenFone AR」が、2017年夏に日本上陸を果たす。GoogleのAR技術「Tango」とVR技術「Daydream」の両方に対応するカッティングエッジなZenFoneで、ASUSは「イノベーター」層のユーザー獲得を目指す。
Tango対応でより「精度の高い」ARを実現
ZenFone ARのアウトカメラは、通常のカメラ機能でも使うセンサー(ソニー製の「IMX318」)のほか、Tangoで利用する「深度カメラ」と「モーショントラッキングカメラ」も備えている。深度カメラは物体の位置関係を、モーショントラッキングカメラは物体の移動を検知する。
Tango対応のアプリでは、3つのカメラをフル活用してより精度の高いAR表現を実現できる。例えば、ルームコーディネートアプリ「RoomCo AR」(リビングスタイル)をZenFone ARで使うと、専用マーカーを使わずに実寸大の家具を配置したり、現実の壁面や障害物を検出して衝突判定を行ったり、家具の3Dモデルの遮蔽(しゃへい)表現に対応したりと、Tango非対応機種よりも利便性が高まる。
Daydream対応でより高品質なVR体験が可能(※)
ZenFone ARは先述の通りDaydreamにも対応している。Daydream対応ヘッドセットを用意した上で、Daydream対応アプリを使えば、より品質の高いVR体験を味わえる。
ただし、懸念材料もある。日本ではDaydream対応ヘッドセットがまだ販売されていないのだ。ZenFone ARと同時に対応ヘッドセットが登場すれば問題はないのだが……。
なお、ZenFone ARのパッケージの一部は「組み立て式VRメガネ」となっている。Daydreamの世界に飛び込む前に、簡易ではあるがVR体験ができることは歓迎すべきだろう。
従来のZenFoneシリーズとは異なり、ターゲットユーザーを大幅に絞った感のあるZenFone AR。TangoやDaydreamを使ってみたいユーザーにとってはとても魅力的な1台だ。
発売予定時期が「2017年夏」と曖昧なことと、Daydream対応ゴーグルが日本ではまだ出ていないことが気がかりだが、まずはASUSのチャレンジ精神を評価したいと筆者は思う。
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