「XTuber」を商標登録した──あるVTuber企業の発表が物議 「YouTubeのガイドライン違反では?」 出願経緯を聞いた(2/2 ページ)
「XTuberを商標登録した」──VTuberに関する事業を展開するPANDORA(東京都渋谷区)の発表がSNSで物議を醸している。商標出願の経緯を同社に聞いた。
「YouTubeのガイドラインは出願前から認識していた」
PANDORAはYouTubeのブランドガイドラインについて「当該ガイドラインの主な趣旨を『YouTube公式のサービスやコンテンツであると誤認されるような表現・利用を防止すること』と理解しております」と説明。「今回の『XTuber』という商標は、YouTube様の既存のブランド力に依拠したり、関係性を誤認させたりすることを目的としたものでは決してございません」と続ける。
「『XTuber』は、特定のプラットフォーム(YouTubeのみ)に依存するのではなく、現実(リアル)とバーチャルを横断する『次世代の新しい活動スタイル・概念』を示す当社のオリジナルブランド名称として出願し、弁護士と協議の上、日本の商標制度に基づく厳正な審査を経て登録に至ったものです」
XTuberを商標登録した理由については「『クリエイターの活動領域を広げ、エンターテインメント市場全体をさらに拡大していきたい』という強いビジョンがある」と強調。「Tuber」という言葉は、特定のサイトの枠を超え、動画配信やバーチャル活動を行うクリエイターを指す言葉として一般化しつつあるとした。
「当社は、クリエイターがSNS、ライブ配信プラットフォーム、そしてリアルなイベントなど、あらゆる領域をクロス(X)してマルチに活躍できる『2.5次元(※漫画やアニメなどの2次元の原作を、現実である3次元で表現する文化)的な新しいエコシステム』を創出したいと考えております。 今回の商標登録は、単なる言葉の独占ではなく、その新しいクリエイター市場を私たちがけん引し、拡大していくという意思表明でもあります」
「XTuber商標に関する利用ガイドラインも整備する」
また、個人クリエイターが「XTuber」という言葉を使うことについては「個人のクリエイターの皆さまがご自身の新しい活動スタイルを表現する文脈でご使用されることを妨げる意図は全くございません」と述べている。
PANDORAは「本商標の登録は、あくまで『当社と同種の事業を行う企業様のサービスとの誤認混同を防ぐ(当社のブランド保護)』ためのものです。現時点で、個人の方々の当該利用に対して対価を求めるようなことも想定しておりません」と話す。
また、今回の商標出願以前に、XTuberの言葉を使っていたクリエイターの存在も認識しているとし「これら既存の活動につきましては、一般的な商標制度の考え方(先使用権など)を尊重し、個別の状況に応じて適切に対応していく所存です」と示す。今後の対応として、XTuber商標に関する利用ガイドラインなどの整備を進めているという。
「クリエイターの皆さまの自由な表現活動を阻害することなく、次世代のエンタメ市場を共に拡大していくための健全なルール作りと、ブランド保護の両立を図ってまいります」
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