“オフィス向けインクジェットプリンター”という括りで考えると、技術的な要素もさることながら、本当にその市場が存在するのか、といった疑問もある。IPSiO
Gシリーズとは価格帯こそ異なるが、他プリンターメーカーも数年前からオフィス向けインクジェットプリンターに取り組んでいるが成功しているとは言い難い。
「プリンターはリコーにとって重要な製品分野です。しかしながら、これまでは電子写真技術に頼り切っていました。電子写真の世界ではトップ企業ですが、それ以外の技術が育っていないことに、危機感があったのです」
しかしインクジェットプリンターはこれまで、技術的に先行していたごく一部のベンダーしか成功していなかった。しかもリコーは5年前に一度、この市場の厳しさを経験している。
「それだけ、新しい印刷方式での足固めを必要としていたと言えます。前回のプロジェクトは、おっしゃるように一時中断がありましたが、コアの開発メンバーは継続して研究開発を続けていました。αタスクフォースで再招集されたメンバーは、かつての経験を生かして新製品を作り上げました。このプロジェクトは、リコー全体を挙げてのものでした。その点が、これまでのオフィス向けインクジェットプリンターと異なる点でしょう」
「オフィス向けインクジェットプリンターの商品性という意味では、性能面、機能面での問題もありましたが、確かに商品力の高さだけで市場を創造することもできません。新しい印刷方式に賭けるリコー全体の意気込みが、今回の製品のひとつの武器になると考えています。オフィス向け製品におけるリコーの販売力を総動員して、カラーレーザープリンターとは異なる新しい市場を作ろうとしていますし、リコーが本気でやれば普及させることができるという自信もあります」
「レーザープリンターで高いシェアを持っているベンダーの場合、どうしても社内にインクジェットプリンターはレーザープリンターよりも下というイメージがありますが、実際には性格が異なるだけで、上も下もありません。インクジェットプリンターをきちんとオフィスにも売っていこう。その、コンセンサスが社内で徹底されています。ですから“オフィス向けインクジェットプリンターは、我々だから立ち上げることができる”。そう自信を持って言いたいと思います」
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