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▲ G707にはよりコストパフォーマンスの高いLサイズカートリッジも用意される
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▲ インクタンクの中は袋状のケースに入っており、一滴残らずインクを使い切れるようになっている
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本機の評価を行う上で、避けて通れないのが新開発の「GELJETビスカスインク」。この新インクが起点となってIPSiO Gの特徴が生まれているからだ。
GELJETビスカスインクは、インクジェット方式で一般的な染料ではなく、顔料を色材として用いている。従来の顔料インクはコントラストが高く、耐光性、耐ガス性に優れ、滲みにくいという長所があったが、擦過に弱く(色材が剥がれやすい)、速乾性が低いという問題があった。これらの問題を解決するための技術開発も行われてはきたが、改善のレベルにとどまっており、根本的には解決していない。
しかしGELJETビスカスインクは超浸透型インクで、一般的な顔料インクと比較して乾燥速度が圧倒的に速く、また乾燥前の状態から粘性が非常に高いため、にじみの少ないシャープな印刷が可能。さらに浸透性の高さは用紙繊維への顔料成分の絡みつきを強固にし、擦過による剥がれも起きにくいのだ。しかも保湿剤の量をコントロールすることで、水分蒸発しても固体にならず、目詰まりが発生しにくい。
このため乾燥速度が遅めで滲みやすい普通紙においても、コントラストが高く、シャープなエッジを実現できるだけでなく、印刷の高速化にも寄与している。短時間の間に大量のインク滴を用紙上に落としても、速乾性によりドット間の干渉が発生しないためだ。
その普通紙画質はレーザープリンターとは風合いが異なるものの、オフィス用として十分以上のレベルを達成している。インクジェットプリンターの普通紙印刷としては、現在もっとも高画質と言い切れる。その上、水ぬれしても滲まない耐水性も備える。
また速乾性の高いインクは、実用的な高速両面印刷にも寄与している。インクジェットプリンターの自動両面印刷メカは、すでに他プリンターメーカーでも実現しているが、いずれも用紙を裏返す際、インクの乾燥を待たねばならず、数秒間、印刷が停止してから用紙反転に入る。このため用紙節約には有効な機能と言えるが、大量の連続印刷が求められるオフィス向けプリンターとしては使いにくい。
ところが本機の両面印刷機能は、表面の印刷後、直ちに用紙を高速反転させる。この素早さは、これまでのインクジェットプリンターには無かったもので、実際の動作を見ると素直に驚かされる。乾燥待ちの時間はゼロで、あっという間に両面印刷が完了してしまうのである。
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