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前編
まず理想のインクありき。目標通りの性能を達成した「IPSiO G707」開発者インタビュー
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RICOH
IPSiO G
ビジネス・インクジェットプリンターの新標準IPSiO Gシリーズを徹底解剖する
後編(4/4)
高速・高精度の印刷を支えるベルト搬送メカ

 もうひとつIPSiO Gシリーズで忘れてはならないのが、GELJET BTシステムと呼ばれる用紙のベルト搬送メカニズムである。ベルト搬送は高精度で複数のトナーを順に転写しなければならないカラーレーザープリンターなどで使われている技術だが、本機ではそれをインクジェットプリンターに応用。紙送りローラの代わりに実装している。

 ベルト搬送は静電気によりベルト上に用紙を吸着させて紙送りを行う手法で、ローラーとは異なり用紙の端までを平面で支えられるため、隅々まで安定した画質を実現できるメリットがある。また両面印刷時、紙を反転させる際にも用紙下端までキッチリと印刷させることが可能だ。

 本機には写真画質プリンターのような縁なし印刷機能は装備されていないが、レーザープリンター並の四辺マージン3ミリでの自動両面印刷が可能になっている。他のインクジェットプリンター用自動両面印刷システムは、いずれも1センチ以上の下端マージンが必要であり、文書作成上の制限となっていたが、IPSiO Gシリーズではレイアウト制限を意識せずに両面印刷を使いこなすことができる。

新発想のドライバ処理でカラー印刷コストの大幅削減を実現

 さて、IPSiO Gシリーズはオフィスでの利用を大前提に開発されていることをここまでに紹介したが、もう一つユニークな技術「レベルカラー」について触れておきたい。レベルカラーとは印刷時に指定する新しいカラー選択機能のことで、これをオンにするとドキュメント内容に応じて最適な濃度制御をおこない、文字部分の見やすさはそのままにグラフ部分のインク量を調整することで、ランニングコストの安いカラー印刷を実現できる。

 リコーによると、カラー部分の印刷で配置するドット数は、モノクロ階調処理を行った場合とほぼ同じになるようにプリンタードライバのアルゴリズムを作っているとのこと。インクカートリッジ単価は各カラーで同じであり、ドット数が同じならばインクコストは同一になる。つまり、カラー印刷なのにモノクロと同じランニングコストしかかからないことになる。

 コストや印刷時間を考慮すると、まだカラーは一部の文書でしか使えない。そんな既成概念を吹き飛ばす、新しいオフィス向けのカラー処理技術と言えるだろう。

 本機はもともとランニングコストを下げるため、大容量のインクカートリッジを採用。チューブでインクヘッドに必要量を充填しながら印刷する方式により、大量印刷向きの低ランニングコストなインクシステムを採用している。コンシューマ機よりも本体価格が高いIPSiO Gシリーズだが、出力枚数が多ければ簡単にその価格差は埋まってしまうだろう。

ワークグループレベルの共有カラープリンターに最適
▲ 右側面
▲ IPSiO Gシリーズをネットワークプリンターにできるオプション。USBプリンターサーバとしても機能する(他に無線LANタイプもある)

 IPSiO Gシリーズはヘッドサイズの違いにより、G707とG505で横幅が異なるが、基本的なメカニズムやデザインは共通である。設置面積は多少大きめのA4インクジェットプリンターといったところだが、前面給紙デザインのため、背面や本体上部にスペースをとられる事が無く全体としてスッキリとした印象を与えている。

 なお、標準で250枚の用紙トレイに加え、G707では500枚対応の用紙トレイを本体下部に追加できる。標準250枚トレイにインクジェット用の高品質な普通紙、増設500枚トレイにコピー用紙をセットするなどして使い分けることが可能だ。無線LAN、イーサネットでプリンターを共有するための専用プリンターサーバも用意されている。これらのオプションを活用し、ワークグループレベルの共有カラープリンターとして使うのが、本機のもっとも典型的な利用パターンになるだろう。

 なお、記事中、一括りに「普通紙がきれい」と述べてきたが、IPSiO Gシリーズの普通紙設定には、一般的な普通紙のモードと専用のハイグレード普通紙用モードの二つの設定がある。ハイグレード普通紙は多少厚手で白色度が高く、専用モードで印刷すると文書中に写真データを配置した際などに高精細で鮮やかな写真とすることが可能。染料系インクジェットプリンターでコート紙を使っていたような場面でも、ハイグレード普通紙でカバーできるだろう(参考までに250枚あたりの標準価格は650円)。

 また写真ライクな光沢紙への印刷が得意ではない本機だが、専用サプライとして用意されている絹目光沢紙ならば、写真ライクな仕上げを楽しむこともできる。近年のコンシューマ向け写真画質機には及ばないが、商品の写真などを印刷して顧客に渡したい、といった用途であれば十分な画質は達成している。

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