45ナノ時代が始まる──「Penryn」正式発表
すでにレビューも紹介され、一部のショップでは販売も始まった「Core 2 Extreme クアッドコア QX9650」をはじめとする“Penryn”ファミリーが発表された。
インテルは、45ナノメートルプロセスを導入したクアッドコアCPUの「Core 2 Extreme クアッドコア QX9650を発表した。開発コード名「Penryn」と呼ばれていた45ナノプロセスルールを導入したCPUファミリーのデスクトップPC向けラインアップとなる「Yorkfield-XE」(開発コード名)の第1弾として登場する。今回インテルが投入するのは「Core 2 Extreme クアッドコア QX9650」の1モデルのみ。インテルが明らかにした価格は11万7640円(1000個ロット時の場合)となる。
このほか、ワークステーション/サーバ向け「Xeon」シリーズで、45ナノプロセスを導入したクアッドコアの「Xeon 5400」シリーズ12モデルとデュアルコアの「Xeon X5200」シリーズ2モデル、「Xeon E5200」シリーズ1モデルも同時に発表された。
Core 2 Extreme クアッドコア QX9650は、4つのコアを1つのダイに収容する。すでに掲載したレビュー記事で紹介したように、動作クロックは3.0GHz、FSBは1333MHzに対応する。インテルで初めてHigh-Kメタルゲートを導入するなど、新しい技術を導入した“Penryn”コアだが、内部の構成は従来のコアマイクロアーキテクチャにほぼ準ずる。エンハンスド・インテル・スピードステップ・テクノロジー、インテル 64、インテル・バーチャリゼーション・テクノロジー、エグゼキュート・ディセーブル・ビットなどのサポートも従来と同様だ。
しかし、その一方で、45ナノプロセスルールを導入で「同じ面積で2倍のサーキットを詰め込める」(定例記者会見における、インテル技術本部技術部長 土岐英秋氏の発言)“Penryn”コアでは、2コアで共有するL2キャッシュの容量が6Mバイトに、CPU全体では12Mバイトに拡張され、新しく追加される命令セット「SSE4.1」やスーパーシャッフル・エンジンの実装によるエンコード処理能力の大幅な向上、除算器の改良による仮想マシンの実行速度改善などが期待されている。
なお、インテルの資料によると、Core 2 Extreme クアッドコア QX9650の構成トランジスタ数は8億2000万個と従来の“Merom”世代のクアッドコアから増えているが、ダイサイズは107平方ミリと65ナノプロセス世代から25%削減された。
Thermal Design Power(TDP)は130ワットと従来と同程度だが、リテールに付属するクーラーユニットのサイズは直径135ミリ、高さが79.9ミリと大型化している。
関連記事
新世代「45ナノ」CPUの実力を「SYSmark2007」で知る──Core 2 Extreme QX9650
45ナノプロセスルールの時代がもう目の前まできている。その“Penryn”の性能を新世代のベンチマークでじっくりと確かめてみた。「5秒以上は待てませんっ」というユーザーのための45ナノプロセス
インテルの定例記者会見で、Intel主席副社長のショーン・マローニ氏が講演。モバイルデバイスにおけるプロセス微細化の必要性を語った。「Nehalem」が動いたっ!──IDF初日基調講演から
年2回の開催から年1回となったIDF(北京は特別版ということで)。そのおかげで内容も充実している。リポート第2弾は「Penryn」「Nehalem」をカバーしよう。「Penrynは単なるシュリンクではない」──インテル定例記者会見
MeromコアCPUの発表から1年が経った今回の定例記者会見では、「自作PC中興のCPU」を振り返りながら、次世代「Penryn」に期待するインテル「ニッポン」の姿が印象的だった。インテル、COMPUTEX TAIPEI 2007にてPenryn対応チップセット“Intel 3”シリーズを発表
米Intelは、台北にて開催中の「COMPUTEX TAIPEI 2007」の基調講演で、Penryn対応の“Intel 3”シリーズチップセットの投入を発表した。45ナノメートル以降のプロセス技術をひもとく──マーク・ボーア氏基調講演
Intel上級フェローのマーク・ボーア氏が、IDF 2007 Beijingで製造プロセス技術の解説を行ない、同社の技術的なアドバンテージをアピールした。インテルが“ナマPenryn”を日本で披露
「最も知られた人物の1人」とインテルが紹介するゲルシンガー氏が来日。話題盛りだくさんのIDF北京を総括した。2007年はインテルが業界を力強く引っ張っていく
インテルは4月11日に定例の「インテルクライアント・レギュラー・アップデート」を行った。会場では“Robson”“Kedron”“Yorkfield”“Wolfdale”といったサンプルモジュールが披露された。Intelが45ナノ「Penryn」ダイ画像を公開
Intelは2007年に投入予定の45ナノプロセスルールプロセッサの試作と動作確認を発表。「Penryn」スペックの一部も明らかにした。見えてきたPenrynとNehalemの「革新性」
インテルが45ナノCPUとして予定している「Nehalem」は「Pentium Pro」以来の変革が施される。そのキーワード“組み合わせ”はCPUに何をもたらすのだろうか。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.