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40ナノ世代に突入した「Radeon HD 4770」の“正体”を知るイマドキのイタモノ(3/3 ページ)

ついにGPUが40ナノメートルに突入した。最先端のプロセスルールを導入したRadeon HD 4770で、GPUは変わるのか?変わらないのか?

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条件次第で4850も脅かす4770の潜在能力

 Radeon HD 4770は予想以上に健闘しており、3DMark 06では軽負荷条件でも重負荷条件でもRadeon HD 4830を上回るだけでなく、3DMark Vantageの結果でも一部を除くゲームタイトルのベンチマークテストでも、Radeon HD 4830を超えるスコアを出している。Crysisの軽負荷条件では、より上位のRadeon HD 4850と並ぶほどだ。

 また、GeForce 9800 GTと比べてみると、3DMark06ではRadeon HD 4770がやや下回るスコアであるが、3DMark Vantageでは完全に上回り、ゲームタイトルのベンチマークテストではRadeon HD 4770がやや上まわる値を記録している。消費電力でも、今回計測した各GPUがピークで210ワット超を記録する中、Radeon HD 4770は185ワットという一段少ない値を示した。ただし、アイドル時の消費電力はRadeon HD 4830よりも若干高かったことは注意しておきたい。

GDDR5がもたらした逆転現象で、Radeon HD 4770は「面白い」モデルになる

 ベンチマークテストの結果が示すように、Radeon HD 4770はRadeon HD 4830を上回るGPUと評価できる。また、消費電力計測ではアイドル時こそ高かったが、ピーク時には同クラスのGPUの中でも格段に低い値にとどまっている。Radeon HD 4770が1万円前半、そしてRadeon HD 4830も価格がこなれ1万円前半だが、これなら、Radeon HD 4770を選ぶのが妥当だ。

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 GDDR5のコストはGDDR3に比べればまだ高いと思われるが、40ナノメートルプロセスルールの導入でダイサイズは小さくなり、メモリバス幅が狭いため設計もハイエンドGPUほど難しくないとなると、生産コストの面から見たグラフィックスカードベンダーのメリットも高そうだ。ユーザーの選択としてもベンダーの選択としても、Radeon HD 4830のポジションはRadeon HD 4770へ置き換わると考えて、まず間違いないだろう。

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