レビュー

重量436グラムのAtom搭載ミニPC――「Viliv S5」がやってきたこんなMIDなら欲しい!?(1/2 ページ)

タッチパネル付きの4.8型ワイド液晶を備えたMID「Viliv S5」が登場。CPUにAtom Z520、OSにWindows XP Home Editionを採用し、超小型モバイルPCとして活用できる。

海外で話題のMIDが日本語OSで購入可能に

ブルレーが取り扱いを発表したMID「Viliv S5」

 「Viliv S5」は、韓国Yukyung Technologies製のMID(Mobile Internet Device)。Vilivとは同社のマルチメディア製品ブランドである。Viliv S5はこれまでに韓国、香港、北米で販売され、小型軽量のモバイルマシンを好むユーザーの間で話題となっている製品だ。国内では海外製品を直輸入して販売しているサイトなどで購入できる。

 こうしたサイトでは通常、海外版のOSを搭載しているのが難点だが、6月26日にはブルレー(BRULE)が日本語版のWindows XP Home Editionをプリインストールしたモデルの取り扱いを発表した。ブルレーで購入した場合、独自の製品保証とサポートが受けられるのもポイントだ。今後は日本の一般ユーザーでも手が届きやすくなるだろう。

 ブルレーでの販売開始は近日中で、予価は6万9800円という。今回はいち早く同社から評価機を入手したので、写真とともに製品概要をお届けしよう。

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キーボードを省いた小型軽量ボディ+Netbook級の画面解像度

 ひとくちにMIDといってもボディの形状や操作系はさまざまだが、Viliv S5はキーボードを搭載せず、タッチパネル付きの1024×600ドット表示対応4.8型ワイド液晶ディスプレイと画面周囲のボタンを使って操作するスタイルだ。

 キーボードがないだけに、本体サイズは154(幅)×84(奥行き)×24.4(高さ)ミリ、重量は約436グラムと小型軽量に仕上がっている。Yukyung Technologiesの製品紹介ページには“Real Pocket PC”のキャッチフレーズが踊り、「VAIO type P」のようにジーンズのバックポケットに本機を収納したイメージ写真も掲載されているが、これでもポケットに入れるには少し大きい。とはいえ、Windows XP搭載PCとしてはかなりコンパクトだ。

携帯ゲーム機といった雰囲気もあるボディ正面(写真=左)。タッチパネル付きの1024×600ドット表示対応4.8型ワイド液晶ディスプレイの左右に十字キーや操作ボタンが並ぶ。本体はカッチリと作られていて、ボタンのクリック感なども適度に保たれており、ボディの質感はなかなかのものだ。背面はリチウムポリマーバッテリーで占有されている(写真=右)
モデルの女性が大きく写ったパッケージは、日本のPCにはあまり見られないデザインだが、よく作り込まれている(写真=左)。デルの8.9型ワイド液晶ディスプレイ搭載Netbook「Inspiron Mini 9」と並べても、こんなに小さい(写真=右)

 基本スペックは、Menlowの開発コード名で知られるインテルのMID(Mobile Internet Device)/UMPC向けプラットフォームを採用。CPUはAtom Z 520(1.33GHz)、チップセットはグラフィックスコアのIntel GMA 500を内蔵したIntel System Controller Hub(SCH) US15Wだ。

 メインメモリはDDR2の1Gバイト(増設不可)、データストレージは32GバイトのSSDを搭載する。ブルレーが最初に発売するViliv S5は60GバイトHDD(1.8インチ)を内蔵したモデルだが、SSDモデルも選択可能になる予定だ。SSDを搭載した評価機の重量を計測したところ、389グラムしかなかった。公称値よりかなり軽い数値だ。しかも、Viliv S5はファンレス設計なので、SSDを搭載すると動作音がほとんど無音になる。

 通信機能はIEEE802.11b/gの無線LAN、Bluetooth 2.0+EDR、GPS(SiRF StarIII)を標準装備。インタフェースはUSB 2.0×1、データ通信用ミニUSB×1、ビデオ出力(接続ケーブルは別売)、ヘッドフォンを備える。製品には専用のイヤフォンも付属する。バッテリー駆動時間は最大6時間(スタンバイ時は最大200時間)をうたう。

上面にはヘッドフォンと音量調整ボタンを配置(写真=左)。底面には通風口とストラップ取り付け穴がある(写真=右)
左側面はカバーの下にリセットボタン、USB 2.0×1、データ通信用ミニUSB×1、ビデオ出力を用意し、ACアダプタ接続用のDC入力と電源ランプも搭載している(写真=左)。右側面には電源スイッチ(スイッチを逆方向に入れるとロックされる)、バッテリー着脱用スイッチが並ぶ(写真=右)
リチウムポリマーバッテリーは薄型で背面に装着する仕組みだ。ACアダプタはコンセントに直接装着するタイプで、突起部を除くサイズは45(幅)×80(奥行き)×45(高さ)ミリ、重量は約168グラムと持ち運びがじゃまにならない(写真=左)。製品にはイヤフォンとスタイラス付きストラップが付属する(写真=右)
Viliv S5のデバイスマネージャ画面。SDカードホストコントローラが認識されているが、これは海外向けモデルのために内蔵されているもので、SDカードスロットを搭載しているわけではない。評価機のOSは日本語版のWindows XP Home Edition(SP2)だった
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