Windows 7のロケットスタートでMicrosoftはどこへ向かう?:「PDC09」リポート(3/3 ページ)
“Azureが主役”だったPDC09だが、「クライアント・デイ」と呼ばれた2日目では、Windows 7とインターネット周辺サービス技術で着目すべき情報が紹介された。
Office 2010、Office Mobile 2010のβ版、無償配布を開始
PDC09では、2010年の前半に登場が予想されるOffice 2010に関する情報もアップデートされた。参加した開発者を対象に紹介されたのは、企業データを保存するMicrosoftのコンテンツ・リポジトリ最新版「SharePoint Server 2010」との連携についてだ。Office 2010自体については大きなアップデートはなかったものの、SharePoint Server 2010とともに、パブリックβ版の一般提供が発表されている。「Office 2010の関連Webページ」で配布が行われているので、興味あるユーザーは試してみてほしい。
Office 2010とは別に、MicrosoftではWindows Mobile向けの「Office Mobile 2010」β版の配布も発表している。このβ版は、Windows Mobile 6.5でサポートされた“Microsoft版App Store”といえる「Windows Marketplace」を介して配布されており、ユーザーは無償で利用できる。このモバイル版Officeは、Webアプリケーション版Office 2010と合わせ、オジー氏の3スクリーン戦略における「すべてのデバイスでユーザーが同じ体験」を実現するための構成要素となる。
昨今の経済不況の影響か、つつましやかなイベントとなったPDC09だが、来場者も比較的多く、全体としてはまずまずの反響だった。Windows 7とWindows Server 2008 R2のリリース直後で話題不足も懸念されたが、Windows Azureが正式発表され、Web関連技術でアップデートが示されたり散見されたりと、当初の予想より収穫は多かったように思える。
2010年にはOffice 2010、IE9、Silverlight 4とコンシューマーユーザーにも重要な新製品が次々と市場投入されることになる。Windows Vista時代に離れてしまった企業や個人ユーザーの心を、Microsoftがどれだけ呼び戻すことができるのかに注目していきたい。
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