第2回 “都区内パス”で調べる、「VAIO X」軽量バッテリーの駆動時間:VAIO 2009年冬モデルロードテスト(2/2 ページ)
厚さ13.9ミリ、最軽量構成で重量約655グラムの「VAIO X」は、とにかくモバイル環境で使うべく誕生したPCだ。まずは、最軽量構成となるSバッテリーを装着し、“山手線換算”でどのくらいバッテリーが持つかを試した。
Sバッテリーの実駆動時間は、山手線換算で「1.6周」
今回の主役を務めるVAIO Xは「VPCX11AKJ」(→価格を調べる)で、FOMAハイスピード対応モジュールを内蔵するワイヤレスWAN対応モデルだ。なお、バッテリーは「可能な限り持ち運びがラク」な最軽量構成でどうかを試す目的で、装着時重量が約655グラムとなるSバッテリーを選択した。Sバッテリーを望むユーザーは、ソニースタイルのVAIOオーナーメードモデルを選択してほしい。
PCの設定は、電力プランをバランス、無線LANはオフ、ディスプレイ輝度を最大とし、通信環境はUSB接続の「UD01SS」を用いたモバイルWiMAXで実践した。山手線圏内においては、NTTドコモの3G通信はおおむね大丈夫だろう……それならつまらないという理由でモバイルWiMAXを選択している。同時に、筆者の外先における実作業環境を再現するため、常時Internet Explorer 8を起動してWebメールをやりとりしつつ、Twitterクライアントソフト「Twit」(CHEEBOW氏作)を60秒ごとにタイムラインなどの情報を含めて自動受信する設定とし、画面キャプチャーソフト「Paint.NET」(dotPDN LLC、Rick Brewster氏作)で画像処理や編集、保存などの作業を“60分”でどれだけこなせるだろうか。
乗り込んだ列車はJR田端駅14時35分発の山手線内回り線。席につきVAIO Xの電源を投入すると、ちょうど次の駒込駅に到着する頃にOSが起動した。このときのバッテリー残量は97%で、OSが示す表示は1時間51分駆動するとある。田端駅に再び戻ってきても、バッテリー残量はまだ余裕がある計算だ。
OSが起動し、モバイルWiMAXへの接続を終えた後、早速普段している作業に取りかかる。業務用のメールチェックと返信、いくつかのWebサイトに訪れ、新着ニュースを情報収集。平行して、記事スクラップのための画面キャプチャーを軸にした画像編集も行った。
このときの各主要駅におけるバッテリー残量の状況は以下のとおり。山手線を1周し、田端駅に再び到着した時点でバッテリー残量は41%、表示時間は残り46分となった。
USB接続のモバイルWiMAX通信+よくあるWeb利用で運用するVAIO Xは、平均で1分あたり1%ほどバッテリーが消費する計算となった。さらにこのまま山手線に乗り続けて同じ作業をするなら、約100分間──1.6周分くらい使えるということになろう。実は途中下車などしておらず元の場所に戻ってきただけなので、旅でも何でもないのだが。
なお、バッテリーの容量比で換算すると、通常のLバッテリーで約200分で3.3周くらい、そして大容量のXバッテリーであれば約400分で6.6周となる計算だ。山手線とVAIO Xが好きな人は、都区内パスなどでXバッテリーが尽きるまで乗ってみるのもおもしろそうだ。
モバイルWiMAX通信はに関しては、上野駅~鶯谷駅間で“接続こそ維持するが通信不可”状態となったが、それでも“すぐ切断”されて閉口した2009年7月のサービス開始当初に比べると、かなり実用的になったと思う。
厚さ13.9ミリ、Sバッテリー装着時の最低重量が約655グラムのVAIO Xは、バッグへの収納性もよくあるB5サイズの大学ノート程度と思える感覚だ。参考までにこの大学ノート1冊と文庫本1冊、よくある折りたたみ携帯電話1台、携帯ゲーム機1台で重量は約700グラムに達する。常に持ち歩けることは、普段の生活以外にふと思いついた旅や遊びのお供にも適する、本当の意味の“ノート”PCだと改めて感心するわけだ。
(続く)
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