レビュー

Phenom II X2 555 Black Editionでブラックな“うわさ”を試すイマドキのイタモノ(2/2 ページ)

AMDがエントリークラスのPhenomとAthlonを拡充。既存モデルのクロックアップ版を投入した。中でも“555”は、もうそれだけでいいことがありそうな予感が。

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100MHzぶん着実にスコアもアップ

 多数登場したエントリークラスのPhenom IIとAthlon IIラインアップだが、今回はPhenom IIの2モデルでベンチマークテストを行った。なお、ベンチマークテストに用いたシステムのOSにはWindows 7 Ultimateを導入したが、計測に使ったベンチマークソフトの安定動作の都合で32ビット版を選択している。

 計測に使うベンチマークソフトも、これまでの“イマイタ・レビュー”から少し変更した。「SYSMark 2007 Preview Patch-5」、「PCMark05」「PCMark Vantage」、「3DMark Vantage」、「CINEBENCH R10」、「Sandra 2010」といった定番は継続するが、市販ゲームタイトルを使ったベンチマークテストでは「ストリートファイターIVベンチマークテスト」を、エンコードテストでは「Media Show Espresso」を用いた。

 評価作業に使ったシステムは、これまでAMDのCPUを検証してきた構成を継承するが、グラフィックスカードをRadeon HD 5850に変更している。

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評価用システム構成  
マザーボード MSI 790GX-G65
チップセット AMD 790GX+SB750
メモリ DDR3-1333 4Gバイト(2Gバイト×2)
GPU Radeon HD 5850
HDD WD5000AAKS(500Gバイト/7200rpm/16Mバイト)
OS 32ビット版 Windows 7 Ultimate

Sandra 2010

CPU Arithmetic-Dhrystone iSSE4.2/ALU
CPU Arithmetic-Whetstone iSSE3
CPU Multimedia-Multi-Media Int x8 aSSE2
CPU Multimedia-Multi-Media Float x4 iSSE2
CPU Multimedia-Double x2 iSSE2
Memory Bandwidth-Int Buff'd iSSE2
Memory Bandwidth-Float Buff'd iSSE2

SYSMark 2007 Preview Patch-5(Ver.1.06)

Ratings
E-Learning
VideoCreation
Productivity
3D

PCMark Vantage Build 1.0.0

PCMarks
Memories
TV and Movies
Gaming
Music
Communications
Productivity
HDD

PCMark 05 Build 1.2.0:

PCMarks
CPU
Memory
Graphics
HDD

3D系ベンチマークテスト

3DMark Vantage Build 1.0.1:CPU Score(Performance)
:ストリートファイターIVベンチマークテスト(High:1280×1024ドット)
:ストリートファイターIVベンチマークテスト(High:1920×1080ドット)

CINEBENCH R10&Media Show Espresso

CINEBENCH R10:Single CPU
CINEBENCH R10:Multiple CPU
Media Show Espresso

消費電力(システム消費電力をワットチェッカーで測定)

ピーク値
アイドル時

遊び心に富んだ自作PCユーザーにこそ遊んでもらいたい(ただし時期限定)

 行ったほとんどのベンチマークテストの結果で、「100MHz分」のスコア上昇が確認できた。Sandraの各テストやCINEBENCH R10はいうまでもなく、3DMark VantageやストリートファイターIVベンチマークテストなどの3D系でも、新CPUでわずかながらスコアが上がっている。結果の値はわずかのように感じるが、Media Show Espressoのエンコードでは、5分のフルHD映像をメニューで用意された「PSPフォーマット」(H.264、480×272ドット)に変換する処理で4秒の時間短縮も、2時間の映像なら1分半以上の違いとなるはずだ。わずか100MHzであっても侮れない。

 今回テストした2製品は、ともに従来から速くなった「100MHz」のスコアアップを果たしている(誤差に吸収されてしまったテストもあるが)。ユーザー心理としても「100MHz速い」ことは魅力として認識されるだろう。さらに、Phenom II X2 555 BEは、80ワットというTDPで3.2GHzという動作クロックを実現している。SYSMark 2007におけるE-LearningやProductivityで見られるように実用アプリにおけるパフォーマンスも高い。いろいろな意味で「一発逆転」狙いの自作PCユーザーの心をくすぐるユニークなCPUだけに、注目したい製品だ。

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