何かとうわさの「ThinkPad Edge 13”」を使ってみた(3/3 ページ)
「ユーザーの新しいニーズに応えたい」という新しいシリーズに、ThinkPadを知るユーザーは「ムムッ」とうなった。その実力を「赤いカラバリ」で検証する。
“ThinkPad”が初心者にも購入しやすくなった
ThinkPad Edge 13”は、大胆とも思えるほどの新デザインを採用して、これまでのThinPadシリーズよりも華やかな印象になった。その反面、レノボが「ベーシック・ノートブック」と位置づけ、「洗練されたシンプルさ」をアピールしているだけあって、導入された機能はシンプルといえる。従来のThinkPadを愛するユーザーにはアイソレーションタイプで6列配列を採用したキーボードに違和感があるかもしれない。
このように、従来のThinkPadユーザーの基準から見ればThinkPad Edge 13”は大きく変化したことになるが、その一方で、鮮やかなレッドのそろえたカラーバリエーションの天面や、アイソレーションタイプキーボードの採用、そして7万円台という価格は、ThinkPad以外のノートPCを知るユーザーには、それほど意外なものではない。ひょっとすると大きく変わったとThinkPadユーザーが戸惑っているのとは逆に、それほど特徴のない仕様とも感じるかもしれない。グロッシー・レッドの天面もほかのメーカー製品との比較でいえば、突出して派手とはいえない。ただ、「いつかはきっとThinkPad」と思いながらも比較的高い価格で購入をあきらめていたユーザーには、価格低くなって購入しやすくなったThinkPad Edge 13”の登場は歓迎されるだろう。
ThinkPad Edge 13”で用意される構成には、不満に感じる部分もいくつかある。例えば、CPUやHDDなどがBTOでカスタマイズできず、どちらかというと初心者向けのWindows 7 Home Premiumモデルが64ビット版で、上級者向けのWindows 7 Professionalが32ビット版というのもミスマッチではないだろうか。Windows 7 Professional導入モデルはHDDの容量も250Gバイトと少ない。また、このサイズのノートPCならは、光学ドライブを内蔵していても不思議ではない。
ただ、日常のオフィス処理、メール、Webブラウジングに不足しないパフォーマンス、キーピッチが広めで打ちやすいキーボード、タッチパッドとトラックポイントの両方を装備、1366×768ドット表示に対応した13.3型ワイドの液晶ディスプレイ、大画面テレビなどに接続できるHDMIと、通常の利用方法ならオフィスでもプライベートでも不足ない。価格的に手頃で従来のThinkPadよりも武骨さが影をひそめたボディデザインと相まって、対象ユーザーの幅は拡がったことに間違いない。これまで「ThinkPadの世界はマニアックだから」と手を出しかねていたユーザーも敬遠していた人も、Edgeなら気負いなく使い始められるだろう。
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