レビュー

実によくなじむッ! 1日10円で“至高の”日本語入力環境を――まだまだ進化する「ATOK 2010」“最高にハイな気分”で文字を打つ(3/4 ページ)

ジャストシステムの最新日本語入力システム「ATOK 2010」が発売された。Googleをはじめとする検索サイトの参入で日本語入力システムの選択肢は広がったが、あえて有料IMEを選ぶ価値はどこにあるのだろうか。

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ユーザーに開放されたATOKダイレクト

 ATOK 2010の新機能ではないが、入力支援の大きな可能性を秘めた機能として「ATOKダイレクト」についても触れておこう。ATOKダイレクトはATOK 2008から実装されている機能だ。入力された文字列を、単にかな漢字変換の変換前文字列として使うだけでなく、外部アプリケーションやWebへのアクセスのために利用できる、いわばATOKに拡張モジュールを組み込むための仕組みといえる。ジャストシステムからは「ATOKダイレクト for Yahoo! JAPAN」「ATOKダイレクト for はてな」の2つのプラグインが公開されており、その破壊力はよく知られるところだ。

ATOKダイレクトを利用した例。通常入力した後(画面=左)、Ctrl+InsertキーでATOKダイレクト(画面はATOKダイレクト for Yahoo! JAPAN)が起動する。ここで候補を選択、Shift+Enterを押すと……(画面=中央)、ブラウザが起動し、表示される(画面=右)
「人生、宇宙、すべての答え」も変換可能(画面=左)。「犯人は」まで入力してATOKダイレクトを起動すると……(画面=中央)、犯人も教えてくれる(画面=右)

 ATOK 2008のアップデートモジュールとして公開された「ATOKダイレクトAPI for Perl/Ruby」は、このATOKダイレクト用プラグインをPerl/Rubyスクリプトで作成するものだ。ATOK 2009からハッカー好みとも言われるPythonもサポートするようになり、「ATOKダイレクトAPI for Perl/Ruby/Python」と呼ばれるようになった。

 プラグインの作成方法は非常に簡単だ。Atok_pluginパッケージ(モジュール)にrun_process関数(Pythonの場合はatok_plugin_run_process関数)を作成し、入力された文字列を受け取り、候補を返すよう記述する。それだけだ。APIにはサンプルソースコードも含まれているので、それをスケルトンとして書き換えればいい。今回、サンプルとして百人一首の上の句を途中まで入力すれば候補として下の句を表示するプラグインを作成してみたが、プログラミングに要した時間はわずか15分ほどだった。実際、データ部分を除けば自分で書いた部分は10行にも満たない。

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 作成したスクリプトを導入するには、設定ファイルとなるXMLファイルを作成し、別途配布されているセットアップツールを使ってプラグインを組み込む。こちらもAPIに含まれているファイルを書き換えればいい。

小倉百人一首の上の句を途中まで入力してATOKダイレクトを起動(画面=左)。該当する下の句が表示される(画面=中央)。百人一首プラグインのソース(部分)。API付属のサンプルPerlスクリプトの一部を修正しただけ。実際に記述したのは40行目~51行目と61行目以降のデータのみだ(画面=右)

 このATOKダイレクトAPI for Perl/Ruby/Pythonは大いなる可能性を秘めている。かな漢字変換という枠組みを超え、「あらゆる入力をフックする仕組み」と考えるとどのアプリケーションでも発動可能なランチャー的な要素も見いだせる。つまり、候補として返す文字列は必ずしも変換候補である必要はない。

 また、ほかのアプリケーションのマクロなどと連動した使い方も考えられる。秀丸などの強力なマクロ機能を持つテキストエディタでもかな漢字変換中にアプローチすることは難しい。一方、ATOKダイレクトAPI for Perl/Ruby/Pythonはあくまでかな漢字変換中の文字しか受け取ることができない。この2つを組み合わせれば面白いことができそうだ。

ATOKダイレクト for Perl/Ruby/Pythonの情報交換は、ATOKダイレクト プラグイン開発グループで行われている(画面=左)。ATOKダイレクト プラグイン開発グループでは正式公開以前のAPIの情報もある(画面=中央)。プラグインの一覧。日本語プログラミング言語「なでしこ」の作者クジラ飛行机氏作のプラグインも(画面=右)

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