“正攻法”で行くマルチタッチ対応モバイルPC――「Viliv S10 Blade」を駆る:10.1型WXGA液晶×SSD×ファンレス×1.2キロ×10時間駆動(1/3 ページ)
完成度の高いタッチパネル搭載モバイルPCとして、知る人ぞ知る「Viliv」シリーズ。新モデルの「S10 Blede」は、Viliv史上最も使い勝手がいい1台かもしれない。
Viliv最新モデルは1366×768ドット表示の10.1型ワイド液晶を搭載
ブルレー(BRULE)が国内販売する韓国Yukyung Technologies製のモバイルPCブランド「Viliv」から、最新モデル「Viliv S10 Blade」が登場した。
Vilivといえば、キーボードを省いたA5サイズ以下のミニPCという印象が強いが、S10 Bladeは10.1型ワイド液晶ディスプレイを搭載したジャストB5サイズのタブレットPCだ。十分なサイズのキーボードとタッチパッドを備えており、シリーズの中では最もスタンダードなモバイルノートPCといえる。
もちろん、Viliv共通の特徴であるタッチスクリーン機能と回転式の液晶ディスプレイは健在で、液晶ディスプレイの画面を上にしたまま折り畳めるコンバーチブル型ボディを採用しているため、通常のモバイルノートPCとは違った使い方もできる。さっそく、気になる使い勝手をレビューしよう。
なお、今回使った機材は、OSに英語版のWindows 7 Home Premiumをプリインストールした試作機だ。国内販売される製品とは、細部の仕様やパフォーマンスが一部異なる可能性がある点はお断りしておく。
ジャストB5サイズ、約1.2キロの携帯しやすいボディ
ボディのデザインは、天面のみラメ入りの光沢ブラック、ほかはメタリックグレーで統一されており、実にシンプルだ。デザインへの配慮は底面にまで行き届いており、本体をひっくり返しても、余計な突起やスリットがないのはもちろん、ネジ穴1つ見当たらない。全体的にすっきりと上品にまとまっているが、キーボードがやや手前側にあるためか、どこか懐かしい感じも受ける。
フットプリントはほぼB5ジャストサイズだ。液晶ディスプレイ部はタッチスクリーン機能を盛り込んだことで厚さが10ミリ近くある一方、ベースボディは最も厚い部分で15ミリ程度しかなく、数字以上にスリムに見える。本体サイズは260(幅)×185(奥行き)×17~26(高さ)ミリ、重量は約1.2キロだ。実測では1.238キロだった。試作機ではあるが、誤差として許容できる範囲だろう。
底面に装着するリチウムポリマーバッテリーは、試作機のためか容量の表示がないものの、公称の駆動時間は約10時間と長時間の利用を可能にしている(バッテリー駆動時間のテスト結果は後述)。
ACアダプタはプラグとケーブルを一体化したタイプだ。携帯時は張り出すプラグが気になるかもしれないが、プラグ部分は取り外せる。本体部分の実測でのサイズは46(幅)×91(奥行き)×65(高さ)ミリ(プラグを外した場合の高さは約40ミリ)だ。実測での重量は195グラムと小型軽量で、携帯性は申し分ない。
Atom Zシリーズを採用する基本システム
基本システムはAtom Zシリーズとグラフィックス機能統合型のIntel SCH US15Wチップセットを組み合わせており、CPUとデータストレージ、OSの違いで4種類のラインアップが用意されている。
CPUは最上位モデルの「S10-64-2-C」のみAtom Z550(2GHz)、ほかの3モデルはAtom Z530(1.6GHz)を搭載する。OSは最下位モデルの「S10-60」のみがWindows XP Home Edition(日本語版)を導入しており、ほかのモデルはすべて32ビット版Windows 7 Home Premium(日本語版)だ。データストレージは最下位の「S10-60」のみ60GバイトHDD、ほかはSSDを採用する。SSD容量は上位2モデルが64Gバイト、下から2番目の「S10-32」のみ32Gバイトとなっている。メインメモリは全モデル共通で1Gバイト(オンボード実装)を備え、増設はできない。
なお、2010年4月2日までは発売記念キャンペーン中で、上位2モデルが割引価格で購入できる。上から2番目のS10-64-Cが8万1800円、最上位のS10-64-2-Cが9万9800円まで下がり、これらのキャンペーン適用モデルは予備バッテリーも1本プレゼントされるので、かなり買い得感が高い。
Viliv S10 Bladeのラインアップ | ||||
---|---|---|---|---|
製品名 | S10-64-2-C | S10-64-C | S10-32 | S10-60 |
CPU | Atom Z550(2.0GHz) | Atom Z530(1.6GHz) | ||
メインメモリ | 1Gバイト | |||
データストレージ | 64GバイトSSD | 32GバイトSSD | 60GバイトHDD | |
OS | 32ビット版7 Home Premium | XP Home Edition | ||
標準価格 | 10万7800円 | 8万9800円 | 7万5800円 | 6万5800円 |
キャンペーン価格 | 9万9800円 | 8万1800円 | - | - |
今回の評価機は下から2番目にあたるモデルのS10-32に近く、Atom Z530(1.6GHz)、32GバイトSSD、32ビット版Windows 7 Home Premiumというスペックになっている。デバイスマネージャで確認したSSDは「SanDisk pSSD-p2」だった。Netbook向けの廉価版SSDのため、あまり高い性能は期待できないが、機械部品がないことによる高い静音性をはじめ、衝撃や振動に強いという特性は、モバイルノートPCにとって大きなメリットだ。なお、SSD/HDDベイには底面のカバーから手軽にアクセスできる。
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