残暑が厳しい! ならば、高性能CPUクーラーを買うぜ!(後編):イマドキのハネモノ(2/2 ページ)
長いんだか短いんだかよく分からない2010年の夏休み。終わっちゃった人もこれからの人も、CPUクーラーを買うならチェックしてほしいバイヤーズガイド。
これを選べば大丈夫!定番のお勧めCPUクーラー
以上、CPUクーラーの最新動向と製品選びの“理論武装”を終えたところで、ショップにCPUを買いにいこう。クーラーの効いた部屋でオンラインショップもいいけれど、汗をかきかきショップを回って、店員さんのアドバイスを受けてみるのもいい。
それでも、いよいよ迷ったら、これから紹介する「定番モデル」も参考にしてもらうといいだろう。
サイズ「忍者参」
忍者参 | スペック |
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対応ソケット | LGA1156/1366/775、Socket 754/939/AM3/AM2+/AM2 |
ファン(回転数) | 12センチ角×1(470~1340rpm、740~1900rpm) |
本体サイズ | 120(幅)×120(奥行き)×160(高さ)ミリ |
実売価格 | 3700円前後 |
高性能、かつコストパフォーマンスの高いサイドフロー型CPUクーラーとして人気の高い「忍者」シリーズの最新モデルだ。
アルミ製の極薄フィンと6本のヒートパイプで構成される。忍者参の特徴は、ファン部分が上から見ると独立してように見えるヒートシンクだろう(厳密には細い部分でつながっている)。これは、ヒートシンクで発生する熱と冷やす役割を果たすヒートパイプをブロックで区切ることで、冷却範囲を固定し、冷却能力の効率化を図っている。
PWM対応のファンコントローラーが標準で付属した点も注目したい。PWM対応ファンコントローラーでは、ファンの回転数をボリューム最大時で740~1900rpm、ボリューム最小時で470~1340rpmというように、PWM(Pulse Width Modulation)方式の利点を生かしつつ、供給される電圧で制御する範囲で回転速度の微調整ができる。
忍者参の取り付けは、専用のバックプレートを使用する方式を採用する。マザーボードの裏側からネジで固定するため、取り付けと取り外しの作業ではマザーボードをPCケースから取り外す必要がある。
CoolerMaster「Hyper TX3」
Hyper TX3 | スペック |
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対応CPUソケット | LGA775/1156、Socket754/940/AM3/AM2+/AM2 |
ファン(回転数) | 9センチ角(800~2800rpm) |
本体サイズ | 90(幅)×51(奥行き)×139(高さ)ミリ |
実売価格 | 2500円前後 |
コンパクトながら高い冷却能力を持つサイドフロークーラーだ。スタンダードな薄型フィンと3本のヒートパイプを組み合わせた構成になっている。コンパクトな分、ファンは9センチ角タイプとほかの製品より小さい。
ヒートパイプがCPUの表面に直接接触する方式を早くから採用したモデルだ。この方式は、ほかのCPUクーラーも採用するようになって、今では定番になりつつある。
ファンを固定するクリップが2組分付属しているので、市販のファンを増設することで、ヒートシンクをはさんだデュアルファン構成にできる。標準で付属するファンは、マザーボード側で回転数をコントロール可能なPWM対応で、回転数は800~2800rpmと高めに設定されている。取り付け方法はリテールクーラーと同じ方式だが、本体がコンパクトなので作業は容易だ。
CoolerMaster「Hyper 212 Plus RR-B10-212P-GP」
Hyper 212 Plus | スペック |
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対応CPUソケット | LGA775/1156、Socket754/940/AM3/AM2+/AM2 |
ファン(回転数) | 12センチ角(600~2000rpm) |
本体サイズ | 120(幅)×79.7(奥行き)×158.9(高さ)ミリ |
実売価格 | 4500円前後 |
Hyper TX3を大型化し、搭載ファンを12センチ角サイズに拡張したモデルだ。大型化したこと以外の変更点としては、4本のヒートパイプを組み込んだことと、ファンの口径が大きくなったおかげで、回転数が600~2000rpmと抑えられて静音性が向上したことが挙げられる。
ヒートシンクの構造も、Hyper TX3と同様のヒートパイプがCPUの表面に直接接触するタイプで、市販のファンを追加してデュアルファン構成にできる点も同様だ。
マザーボードへの固定方法は専用のバックプレートを固定して、そのバックプレートにマザーボードの表側からネジ止めする。一度バックプレートをつけてしまえば、CPUクーラーの取り付けと取り外しは簡単だ。
Corsair「CWCH50-1」
CWCH50-1 | スペック |
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対応CPUソケット | LGA775/1156/1366、AM3/AM2+/AM2 |
ファン(回転数) | 12センチ角(1700rpm) |
ラジエターサイズ | 25(幅)×120(奥行き)×150(高さ)ミリ |
実売価格 | 1万円前後 |
冷却効率が高いものの、大型で組み立てが難しくなりがちなのが水冷ユニットだ。しかし、CWCH50-1は、ポンプ、ラジエータ、ヘッド(ジャケット)を一体化することで、コンパクト、かつ、取り付けを簡単にしたことでヒットモデルとなった。
冷却液は本体内に封入済みなので、水冷キットで一番手間がかかる取り付けや、パーツ交換時に必要となる冷却液の補充といったメンテナンスも不要になっている。大型のラジエータユニットは、PCケースの背面、もしくは、天面部の12センチ角ファン部分に取り付けられる。ただ、PCケース側の取り付け部分が12センチ角ファンに対応していない場合は変換アダプタが必要になる。また、ラジエータとヘッドをつなぐ冷却水チューブの長さは30センチなので、CPUソケットとラジエータがこの距離を超える場合は使えない。
PCケースに取り付ける場合は、内部を流れる風の向きも注意したい。通常のケースファンは熱が外に出るように取り付けてあるが、CWCH50-1を組み込む場合はラジエータに風が当たるようにしないと冷却能力が低下する。
マザーボード側とCWCH50-1に付属するヘッドの取り付けはバックプレート式だ。ただし、ヘッドをひねるだけで簡単に取り外せる構造なので、CPUの交換作業は行いやすい。
ZALMAN「CNPS10X Performa」
CNPS10X Performa | スペック |
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対応CPUソケット | LGA775/1156/1366、Socket754/940/AM3/AM2+/AM2 |
ファン(回転数) | 12センチ角(900~2000rpm、抵抗ケーブル使用時900~1350rpm) |
本体サイズ | 100(幅)×132(奥行き)×152(高さ)ミリ |
実売価格 | 4500円前後 |
こちらもサイドフロー型のCPUクーラーになる。ZALMANのCPUクーラーで上位モデルの「CNPS10X Extreme」から価格を抑えた製品だ。CNPS10X Extremeで搭載していた複雑な制御ができるファンコントロール機能が省かれ、マザーボードへの取り付け方法が、ネジ止めから一般的なクリップ式に変更された。
汎用のCPUファンを追加して、ヒートシンクをはさんだデュアルファン構成が可能など、最近のサイドフロー型で求められる仕様はカバーしている。
ヒートシンクの構造は、CNPS10X Extremeと同じで5本のヒートパイプと薄型フィンの組み合わせだ。搭載するファンはマザーボード側で回転数を調整できるPWM対応タイプになる。回転数は通常モードで900~2000rpmだが、付属の抵抗付きケーブルで電圧を下げると900~1350rpmと低くできる。
マザーボードへの固定方法は、専用のバックプレートを使用して、CPUクーラー本体をネジを使ってマザーボードの表側から止める方式だ。バックプレートを取り付けてしまえばCPUクーラー本体の取り付けと取り外しは簡単にできる。
サイズ「羅刹」
羅刹 | スペック |
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対応ソケット | LGA156/1366/775、Socket 754/939/AM3/AM2+/AM2 |
ファン(回転数) | 12センチ角×1(470~1340rpm、740~1900rpm) |
本体サイズ | 131(幅)×141(奥行き)×130(高さ)ミリ |
実売価格 | 4000円前後 |
トップフロータイプの大型CPUクーラーだ。最近のサイズ製品によく見られる、ヒートシンクが前後2つのブロックに分かれた構造を採用する。フィンを階段状に並べた「トライデント多層フィン構造」を導入しているが、これは、フィン内部で風の流れを変えることで一種の乱気流を発生させ、風のエネルギーを可能な限り放熱に利用するのが目的という。
ファンは12センチ角タイプで、忍者参と同じく、PWM対応のファンコントローラーを組み込む。ファンの回転数も忍者参と同じで、ボリューム最大時で740~1900rpm、ボリューム最小時で470~1340rpmで調整可能だ。
マザーボードへの取り付け方法は、インテル対応プラットフォームの場合はプッシュピン、AMD対応プラットフォームはクリップと、リテールと同じ方法を取る。ヒートシンクが大きいので、一度取り付けたらあまり取り外さないユーザーに適しているだろう。
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