「IPS226V」実力診断――イチキュッパで“S-IPS II”搭載の21.5型フルHD液晶:改良版IPSパネルの画質は!?(2/3 ページ)
2万円前後のフルHD液晶ディスプレイが出てきたときはTN方式でもうれしかったが、すぐにIPS方式もその価格帯まで下りてきた。しかも“改良型IPS”というから驚きだ。
設定項目はなかなかの充実ぶり
OSDメニューもIPS236Vと同様の設計だ。タッチセンサー式のボタンを採用しており、6つあるボタンのいずれかを押すと、OSDのルートメニューが表示される。このため、ボタンを押し間違えることがない半面、輝度などをダイレクトに調整できるショートカットが用意されないため、一長一短ではある。
ルートメニューにはMENU、SMART+、MODE、AUTO(オートアジャスト)、INPUT(入力切り替え)、EXIT(OSDのオフ)の機能が並んでおり、その直下にあるタッチセンサー式ボタンに触れると、対応するメニューが表示される仕組みだ。ここでは利用頻度が高く、操作性に影響を与えると思われるMENU、SMART+、MODEの3項目をチェックしていこう。
MENUはディスプレイの表示そのものを調整する項目だ。ピクチャー、カラー、表示、ボリューム、その他というタブに分かれており、各タブの下にさらに細分化された機能を用意している。
使用頻度が高いのは、ピクチャータブとカラータブだろうか。ピクチャータブには明るさ、コントラスト、画質(シャープネス)を用意する。カラータブでは色温度とガンマの調整が行える。色温度はWARM、COOL、MIDIUMの3種をプリセットとして持っているほかに、ユーザーモードによるカスタマイズも可能だ。ユーザーモードはRGB各色の増減による調整に加えて、6色(RGBCMY)相環による色相とサチレーション(色飽和度)の調整機能も用意する。ガンマ調整では1.8~2.6の間で0.2ステップごとの設定が行えるなど、画質調整の項目はなかなか充実している。
SMART+には、オリジナル画面比、デュアルウェブ、シネマモードのタブが並ぶ。オリジナル画面比は推奨解像度以下の解像度が入力された場合の画面比率を設定する機能であり、比率を無視して画面いっぱいに表示する「ワイド」と、比率を維持しつつ可能な限り表示領域を広げる「オリジナル」の2種から選択が可能だ。ドットバイドット固定の設定は用意していない。
デュアルウェブとシネマモードは添付のユーティリティソフトと連動する機能で、Windows環境でのみ動作する。機能の詳細はIPS236Vのレビュー記事を参照してほしい。
MODEメニューでは用途別の画質モードが選択できる。モードの種類はユーザー、ムービー、テキスト、画像、sRGBの5つを用意している。各モードの特徴を順に述べていこう。ムービーはガンマにS字カーブをもたせてシャドーを暗く、ハイライトを明るくしたモードで、いわゆるメリハリのある絵で表示される。ピクチャーはS字を抑え目にして、階調表現を維持しつつメリハリを出すモードだ。テキストはピクチャーと同程度にメリハリを出し、明部を持ち上げている印象で、他社のディスプレイに見られる輝度や色温度を抑える表示とは異なる。sRGBはその名の通り、sRGBの色域に近づける設定だ。
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