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日本マイクロソフト、「次期 Microsoft Office」の概要を紹介多機能なれど、そのデザインはシンプル(1/3 ページ)

シンプル、かつ、多機能な画面デザイン、そして、新しい“リングメニュー”など、無償配布を開始したプレビュー版で、その姿と機能が明らかになった。

公開したプレビューの言語は、英語、スペイン語、そして、日本語

 日本マイクロソフトは、7月17日に公開した次期 Microsoft Officeのプレビュー版の公開に合わせて、機能の概要を紹介する説明会をおこなった。すでに、日本向けのプレビュー版は、Microsoftの専用Webページからダウンロードして入手できる。日本向けのエディションは、個人向けの「Office Professional 2013プレビュー」に、中小規模企業向けの「Office 365 Small Businessプレビュー」、大規模企業向けの「Office 365 ProPlusプレビュー」、そして、大規模企業向けで統合クラウドサービスも含めた「Office Enterpriseプレビュー」を用意する。

 なお、日本マイクロソフトによると、現時点でプレビュー版を用意した言語は、英語、スペイン語、日本語の3言語のみで、これは、Microsoftが、Microsoft Officeに対して高い関心を示すユーザーが多い日本を、重要な市場と認識しているためと説明している。

 説明会では、次期 Microsoft Officeで導入した機能の概要を、日本マイクロソフト業務執行役員 Office ビジネス本部 本部長のロアン・カン氏が解説した。カン氏は、多くのユーザーが思う「なぜ、Microsoft Officeは、新しいバージョンをまた出すのか」という疑問に対して、「ITを含めた世界が、速いスピードで変化しているからだ」という答えを示した。その中で、Microsoftがユーザーの生活とビジネスに大きく影響する変化と重視する項目として、「デバイスの小型化とマルチデバイスの普及」「クラウドサービスの利用」「ソーシャルネットワークへの展開」を挙げている。

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 カン氏の説明によると、ユーザーの4分の3以上が2台以上のデバイスを使うようになり、この流れは、今後も止まることはないという。また、クラウドサービスについては、企業の半分が18カ月以内に利用を検討、もしくは、すでに現在移行段階にあり、リモートアクセスによって、ユーザーがどこにいても必要なデータにアクセスでき、セキュアなバックアップが可能で消費電力も削減できるなど、企業にとってクラウドサービスを利用するメリットは大きいと語っている。そして、ユーザーの82パーセントが使っているソーシャルサービスについても、「人の本質は社交的であって、それゆえ、ほかの人とつながりたいと考えている」(カン氏)ため、これから重要な要素になるとした。

日本マイクロソフト業務執行役員 Office ビジネス本部 本部長のロアン・カン氏(写真=左)。デバイス、クラウド、ソーシャルの急激な変化が、次期 Microsoft Officeの開発に大きく影響した(写真=中央、右)

 Microsoftは、ここで挙げた3つの大きな変化と、ビジネス利用で必須となっている「管理」を加えた4つの項目を、次期 Microsoft Officeの開発に反映したと説明した。そして、従来のようなPCのみならず、スマートフォンやタブレットデバイスから、高解像度PC、そして、複数のディスプレイを使う環境のいずれでも、シームレスに使えるようにするのが大きな課題だったとし、多様な入力デバイスに対応することも考慮し、従来のキーボードやマウスだけでなく、タッチ操作、フリック、ペン入力など、次期 Microsoft Officeでは、すべての入力デバイスに対応すると述べた。

 画面デザインの変更は、次期 Microsoft Officeでは重要な開発課題だったという。「デザインはシンプルだが、妥協はしていない」とカン氏が述べるように、できるだけシンプルで分かりやすいデザインを採用しながら、多くの機能を導入している。また、PCとスレートタイプのデバイスとでは、本体の持ちかたが変わることも考慮し、両手で本体を持つスレートタイプでは、右親指がタッチしやすい場所にコントロールパットを表示し、アイコンの間隔も広げ、新しいユーザーインタフェースとして「リングメニュー」を導入するなど、タッチだけによる操作を可能にした。

 Windows 8ネイティブのアプリケーションとしてMicrosoftが始めて用意するOne Noteでは、リングメニューを取り上げ、デバイスで用意している機能や選択したオプジェクトに合わせて表示する項目が変わることを示した。

OneNoteでは、Windows 8 ネイティブアプリケーションで導入するリングメニューを説明した。文字の書式設定(写真=左)、フォントサイズ(写真=中央)、オブジェクトの挿入(写真=右)と、選択したオブジェクトによって、リングメニューで表示する項目が変化する
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