GeForce GTX 650に“Ti”がつくとなにがどう違うのか?:イマドキのイタモノ(3/3 ページ)
GeForce GTX 600シリーズミドルレンジで最後に登場した「GeForce GTX 650 Ti」は、100ドル以上の価格差がある“660”と“650”間を“上手に”埋めるのか?
ほどよいポジションに収まるGPU
GeForce GTX 650 Tiのターゲットは、GeForce 9600 GTなどの旧世代GPUユーザーに対し、DirectX 11やPhysXなどの新しい映像技術の世界に誘うという役割りと、CPUやチップセットの統合グラフィックスコアユーザーに対して、よりゲーム性能の高いGPUへの移行を促す役割りを担っている。
前者は、アーキテクチャに依存するもので、確かにDirectX 10世代のグラフィックスとDirectX 11世代のグラフィックスでは、テッセレーションなど映像表現自体にも大きな進化があり、そのメリットは理解できる。後者に関しては、ベンチマークテストの結果が示すように、「ゲームがしたい」という欲求に十分応える性能を有する。上位モデルとの差は、より高い解像度や、より高画質な設定という点で差別化する。GeForce GTX 650 Tiのポジションとしては、最新タイトルの場合はやや低い解像度、やや低い画質設定、一方でこのクラスのユーザーが求めるだろうライトなタイトルでの性能なら、十分な結果と言えそうだ。
PCパーツベンダー各社がリリースしたGeForce GTX 650 Ti搭載グラフィックスカードをみると、このGPUが非常に面白いクラスに位置していることが分かる。リファレンスデザインと同じようなショート基板を採用し、組み込み易さを訴求する製品もあれば、ロング基板を採用することで冷却性能を強化し、オーバークロックや静音性能に力をいれた製品もある。また、グラフィックスメモリを2Gバイトに増量した製品などもあるなど、バラエティ豊かだ。独自基板を設計するのにもちょうどいいクラスということだろう。
その意味で、求めるパフォーマンスレンジ自体がマッチするならば、省スペースPCや静音PCなど、自分の希望に合う1枚を選ぶことができるGPUといえるのかもしれない。
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