レビュー

【短期集中! Surface RT】「Type Cover」を本気で使う買って後悔したのか! しなかったのか! (3/3 ページ)

その場で購入したSurface with Windows RT。冷静になったところで「どこまで使える」デバイスなのか、旅の途中で検証する。“日本”ローケルで使えるコンテンツもチェック。

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Surface RTのパフォーマンスとバッテリー駆動時間は?

 Windows 8では、CPUリソースを節約してバッテリー駆動時間を延ばすために、数々のテクニックを用いている。Surface RTが搭載するWindows RTも同じテクニックを利用している。デスクトップアプリケーションを使わないWindows RTで、タスクマネージャーを開いてアプリの挙動をチェックすると、ほとんどのアプリが休眠状態でCPUやメモリを消費していないので、高い水準で省電力運用していることが分かる。

デスクトップでタスクマネージャーを開くと、ほとんどのアプリが休眠状態にあり(写真=左)、CPUリソースもメモリもほとんど消費していない(写真=中央)。この極端なまでのタスク管理がWindows RTにおける省電力動作を実現する。今回は一度も調整しなかったが、Surface RTのデフォルト設定では画面がかなり明るくなる。ただし、バッテリー駆動に移行すると、輝度を落として動作時間を延ばすよう警告を表示する(写真=右)

 Windows RTでバッテリーを消費する大きな要因となるのは主に2つ考えられる。1つが無線LANによるインターネットアクセスで、2つ目が液晶ディスプレイのバックライトだ。この評価作業において、液晶ディスプレイのバックライトはデフォルト設定のままだったが、これでも画面はかなり明るい。通常の利用に耐えられるまで輝度を下げることで、さらに長時間のバッテリー駆動が可能になるはずだ。

 パフォーマンスについては、スタート画面における操作や画面の切り替え、動画再生などでスムーズに動作するものの、標準のWebブラウザで重いコンテンツにアクセスすると、とたんに動作が重くなる。「SunSpider 0.9.1」で計測したところ、スコアはWindows 8スタイル版Internet Explorerで1080前後、デスクトップ版Internet Explorerで1100前後となった。このベンチマークは数字が低いほど速く、iPhone 5が910前後、ここ1~2年で登場したスマートフォンやタブレットの多くが1000~2000台となっている。もっとも、3年半前のMacBook(Core 2 Duoで動作クロックが2.4GHz)のスコアでも340前後と、既存のx86/x64系CPUと比べれば非力なのは否めない。

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Windows 8スタイル版Internet Explorer(写真=左)とデスクトップ版Internet Explorer(写真=右)で、「SunSpider 0.9.1」を走らせる。ここ1~2年に登場したモバイルOS搭載デバイスは多くが1000~2000ほどのスコアなので(数字が小さいほど速い)、Surface RTはこの中では高速といえる

仕事用デバイスとして使えるか?

 Surface RTと競合するのは、Windowsタブレットではなく、iPadやAndroidタブレットなどのモバイルOSを搭載したデバイスになると思われる。Windows RTを導入するSurface RTで最大のメリットは、Windowsの使い勝手を継承しつつ、モバイルOSを導入するタブレットテバイスのように使える点だ。日本語入力システムやアプリの切り替え、ファイル操作といった基本的な操作を共通しながらも、モバイルOS搭載タブレットデバイスで実現している小型軽量のボディやバッテリー駆動時間を実現している点にある。

 ただ、従来のWindowsアプリケーションがそのまま利用できないため、文書入力やドキュメント作成が中心のユーザーには、これまでのWindows系OSで使えていたテキストエディタなどが利用できないなどの問題がある。この場合、現時点ではSurface RTに標準で付属する(そしてアップデートした)Wordを使うことで対応することになる。秀丸などのテキストエディタでマクロを利用しているユーザーは、使い慣れたエディタ以外への移行で不便を感じるかもしれないが、現状ではこのような環境を移行する手段はない。

 Windows RTを使うメリットとして、ほかのモバイルOSに比べてWindowsの操作手順を維持できる点もある。従来のWindowsでは、テキストを打ちながらWebブラウザで逐次資料を参照する作業において、Webブラウザのウィンドウを複数開き、適時必要に応じて切り替える。ところが、モバイルOSの多くはこうした利用を想定していない。アプリの動作が全画面表示を前提としているのに加えて、Webブラウザとテキストエディタの表示切り替えも面倒で、マルチタスク的な操作に向いていない。Windows RTでは、テキストエディタとしてWordを使い、Internet Explorerも利用できるので、これまでのWindowsとほぼ同じ操作感覚を維持できる。

 さらに、Surface RTとTypeCoverを組み合わせた場合、キー入力も軽快で、原稿執筆のメインとして使ってるMacBookに近い感覚で作業できた。それでいて、重さはMacBook Pro 13インチの3分の1程度に収まっている。この評価作業は、ミラノからパリの移動中や、その途中で滞在したコモの外出先で行っているが、原稿執筆やWebブラウジングはすこぶる快調だ。バッテリー駆動時間も外出して6時間のアイドル状態と原稿執筆や撮影画像の編集、動画閲覧といった作業を2時間以上行った状態で、バッテリー残量はおおよそ80%以上だ。10~11時間程度の連続作業は可能と思われる。これなら、ほかのモバイルOS搭載タブレットデバイスと互角といえるだろう。

 なお、日本語入力ソフトは、現時点でMicrosoft標準しか選べない。普段使っている日本語入力ソフトを使いたいと希望するユーザーも多いと思うが、これについては、それぞれのソフトウェアベンダーによるWindows RT対応を待つしかない。

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