Ivy Bridge-Eの最上位「Core i7-4960X Extreme Edition」を徹底検証:22ナノ初の6コアCPU(3/3 ページ)
ソケットLGA 2011に対応するハイエンドCPUとして、22ナノメートルプロセスルールのIvy Bridge-Eが登場した。最上位モデルの性能は?
性能を向上しつつ消費電力を微減。ただし用途とユーザーを選ぶCPU
ここ数世代のインテル製CPUをみると、メインストリーム向けプラットフォームにおける世代交代で最も注目されたのは統合GPUの性能や消費電力面だ。CPU性能に関しては、ベースとなるアーキテクチャが優秀なこともあって、それほど大きな向上は見込めなかった。こうした背景もあって、消費電力はまだしも、統合GPUをそもそも搭載していないハイエンドプラットフォームにおいては、世代交代のインパクトはやや小さいと言わざるをえない。
ただし、22ナノメートルプロセス化により、TDPを引き下げてクロックの向上分パフォーマンスを高めたことは確かだ。現在のコンシューマー向けインテル製CPUの中で最も高性能な製品を求めるなら、Core i7-4960Xの一択であることは間違いない。
もっとも、性能面といっても、主に“CPU性能”を求めるユーザーに向けたものである点に注意してほしい。3Dグラフィックスに関しては、必ずしもLGA 1150に勝るとは限らない。シングルGPUでゲームを楽しむレベルであれば、LGA 1150プラットフォームのほうが低コスト、かつ同程度かそれ以上のパフォーマンスを得られる。
LGA 2011プラットフォームでゲーミングPCを組むのであれば、合計40レーンのPCI ExpressをCPUから利用できる点を生かして、マルチGPU環境を構築しなければメリットは少ない。とはいえ、CPUにCore i7-4960Xを求めるようなユーザーなら、グラフィックスカードにも潤沢な予算を投入するだろう。つまり、そうしたユーザー向けのスペシャルなCPUということだ。
執筆時点でCore i7-4960Xの国内販売価格は公表されていない(1000個ロット時の価格は990USドル)ため予想するしかないが、Extreme Editionであることから10万円クラスであることは間違いない。あとは為替の値動きに連動して、円安の影響を受けるかどうかというところだろう。ひたすらパフォーマンスを追求し、価格は2の次というコアなユーザーにとってはそれほど影響はなさそうだが、業務用PCとして導入を考えるのであればコスト面も気になる点ではある。Core i7-4960Xではソフトウェアエンコードや3Dレンダリングといった用途でクロックの向上分時間を節約できるのは確かだ。長期的な視点でコスト削減を考えるなら、業務用途での導入も検討の価値はあるだろう。
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