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きょうから始まる新生VAIOの物語──「VAIO Z」に込めた“メイド イン 安曇野”の条件VAIOで必要なのは顧客視点ではない(3/3 ページ)

新生VAIOがイチから開発した新モデルが登場した。安曇野FINISHを支える開発方針から展示実機の分解写真まで発表会場からリポートする。(2月17日:動画追加)

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クリック感を向上させる雲母片岩

 キーボードでも、キーをタイプした音が周囲の迷惑にならず、どこでも快適に入力できるように、沖電気工業との共同開発で、2KHz以上のノイズを低減したほか、タッチパットでは、確実なクリックを実現するために、たわまない固い素材として、厚さ1ミリの雲母片岩を使用した。ディスプレイでは、パナソニック液晶ディスプレイと共同開発した高演色LED&集光バックライト液晶パネルを採用することで、sRGBを100%カバーする色域を実現。また、サウンド周りでも100人規模の会議室でも対応する大容量スピーカーを内蔵した。

キーボードのタイプノイズを低減してどこでも快適に入力できるようにした(写真=左)。タッチパッドには厚さ1ミリの雲母片岩を使用している
パナソニック液晶ディスプレイと共同開発した高演色LED&集光バックライト液晶パネルは、「特に赤の表現力が際立つ」と伊藤氏もアピールする
スケルトンサンプルをキーボード側から見る(写真=左)。パームレスト左右端に内蔵する大容量スピーカー(写真=右)

 ユーザーの新たな可能性に応えるためには、マルチフリップ機構を採用し、クラムシェルノートPCとしての使い勝手を実現したうえに、タブレットとしても利用できる構造としている。タブレットスタイルでは、デジタイザによる操作に対応するほか、ビューモードでは対面接客の使い勝手がよくなることをアピールした。伊藤氏は、2in1 PCの機構について、ユーザーが気持ちよく、かつ、スタイリッシュに使いこなせることが重要で、その点において、VAIO Zのマルチフリップ機構は優れているという考えを示している。

ディスプレイの下にあるスライドロックを解除すると、クラムシェルスタイルからタブレットスタイルに移行する。ディスプレイを反対側まで開くと磁力でスタンドに固定する
タブレットスタイルに移行したVAIO Z
マルチフリップ機構の耐久性を示すため、本体に5キロのアレイをぶら下げて吊るすデモを行っていた
BEAMS特別仕様も登場する。このモデルでは、BEAMSロゴをボディに施したほか、タッチパッドの表面をBEAMSコーポレートカラーのオレンジにしている

共創で開発したVAIO Z Canvas

 続いて、伊藤氏はVAIO Prototype Tablet PCを改めて、正式に発表となった「VAIO Z Canvas」も紹介した。開発過程では、クリエイターに実際に使ってもらい、そのフィードバックを適用していく「共創」というプロセスで進めている。なお、製品名となった「Canvas」には、コンテンツを消費するだけだったこれまでのタブレットとは異なり、ゼロから創造するタブレットという意味を込めていると伊藤氏は説明する。

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VAIO Prototype Tablet PC改め、「VAIO Z Canvas」は5月出荷開始予定だ
左側面と右側面

 VAIO Z Canvasは、クリエイターをデスクから解放して別な場所でもプロレベルの捜索を可能にするため、高い処理能力を必要としており、そのために、第5世代Core プロセッサー・ファミリーとIntel Iris Pro Graphicsを基幹とするシステム構成を採用し、データストレージでは、PCI Express接続で容量が1TバイトのSSDと採用、ディスプレイではAdobe RGBカバー率95%の高精細LCDを搭載した。

 また、クリエイター用途に最適化したタブレット&ワイヤレスキーボードのフォームファクタで、タブレット本体背面に用意したキックスタンドは無段階で角度の調整が可能になっている。

 発表会では、共創に参加したクリエイターとして、ライス・バード氏、御園生大地氏、中村光氏、八木竜一氏を取り上げ、それぞれ、VAIO Z Canvasを使って製作作業を行っている風景をビデオで紹介していた。一部のアーティストはVAIOのWebページでも公開する。

背面のスタンドは無段階で調節可能だ
デバイスマネージャーでVAIO Z Canvas 展示機材のシステム構成を確認する。出荷開始は5月なので、それまでにシステム構成が変更になる可能性もある

 なお、発表会場ではVAIO Zの“タフネス”を示す「拷問テスト」も紹介していた。その状況は動画で紹介しよう。

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