液晶ペンタブ業界に嵐を巻き起こす!?――「VAIO Z Canvas」を漫画家が速攻レビュー:これ、本気で描けますよ(5/5 ページ)
新生VAIOが放つクリエイター向けタブレット「VAIO Z Canvas」は、ハイスペックな“お絵描きマシン”としても使える。ワコム一強の液晶ペンタブ業界に嵐を巻き起こすのか──PC USERでおなじみの漫画家が、試作機を触った。Cintiq Companion 2との比較も!
将来的にはクリエイター向けの大画面モデルも欲しい!?
ところで、Cintiq Companion 2とVAIO Z Canvasを立て続けにレビューして、思ったことがある。クリエイター向けにペン機能付きのタブレットを作るのであれば、より大画面、例えば「15型モデルがあってもいいのでは?」ということだ。
一般ユーザーを相手にタブレットを作るなら、モバイル性を重視して小さいボディサイズにするのはもっともだ。しかしクリエイター向けなら、多少かさばっても「画面がデカいほうがいい!」という人も多いのではないか。Cintiq Companion 2もVAIO Z Canvasも、画素密度が高いために小さいキャンバススペースでもそれなりに絵が描けるが、欲を言えばもう少し大きい画面のモデルも試してみたい。
VAIO Z Canvasが目指す革新性は、「クリエイターをデスクから解放し、第2の場所でプロレベルの創作を可能にすること」にあるという。確かにこのサイズのタブレットとしては、圧倒的なパフォーマンスと高画質を実現しており、これを手軽に持ち運んで、いつでもどこでも使えることに特別な価値を見いだすことはできる。
ただその一方で、こうした高性能タブレットに20~30万円をつぎ込み、外でもクリエイティブなデジタル作業をしようという人は、はっきりいって相当に「マジの人」である。そういう人は、ちょっと重くても、ちょっとデカくても、よりクリエイティブなものを選ぶと思う。筆者の周囲でも、例えばプロのカメラマンなどは15型のノートPCを持ち歩いて仕事をしている人が多い(カメラだってコンパクトデジカメではない。自宅だろうが外だろうが、重たい一眼とレンズをバッグに詰めて持ち歩くのである)。
15型なら、資料やナビゲーションパレットの同時表示もやりやすくなり、外部ディスプレイが使えない自宅外での作業効率が上がるはず。自宅でしか使わないとしても、画面が大きいにこしたことはない(あまりに大きいと取り回しに困るが)。ボディが大きくなれば設計にも余裕が出るはずで、外付けGPUの搭載も「VAIOなら、VAIOならきっと何とかしてくれる……!」と期待が高まるのだが……。
12.3型のVAIO Z Canvasが発売された次には、そんな異端の大画面タブレット、いかがでしょう?
- 製品版でのレビューを掲載!(2015年6月7日) → Cintiq使いの漫画家が「VAIO Z Canvas」を真剣にレビューする
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