海外プリペイドSIM導入マニュアル――プリペイドでLTE利用が開始「台湾2015年」編:台北101付近で50Mbpsを記録(2/2 ページ)
日本人に人気の渡航先である台湾。各社がプリペイドSIMを販売しているが、LTE対応のものが出そろい、旅行者も高速なデータ通信が利用できるようになった。3社のLTEプリペイドSIMを購入してみた。
台湾大哥大は台北市内で購入
LTEプリペイドSIMを販売する残り1社、台湾大哥大は桃園空港T2のカウンターでは3Gタイプのみ取り扱いで、LTEものは市内でのみ販売とのこと。そこで台北市内に出て適当に台湾大哥大の店を見つけ、そこで購入してみることとした。
店員の英語は片言ではあるが「Prepaid SIM」「LTE」程度の会話ならば十分通用する。また市内店舗では規約通りにプリペイドSIM購入に顔写真入りの身分証明書が2通必要だったのでパスポートと日本の自動車免許証を提示。訪れた店舗は最新型の登録端末を使っており、カメラで顔写真を撮影したのち申請書類へのサインも端末上のタッチパネルに指先で書くスタイルだった。
台湾大哥大のLTEプリペイドSIMは料金別に3タイプ。「300型」「500型」「1000型」で、それぞれ300台湾ドル(約1150円)でデータ1.2Gバイトと100台湾ドルの音声通話分で30日有効。500台湾ドル(約1910円)でデータ通信2.2Gバイト、195台湾ドルの音声通話分で60日有効。1000台湾ドル(約3820円)でデータ8Gバイト、185日有効となる。
台湾大哥大もプリペイドSIMそのものは180日間有効。上記有効期限切れ後は上記の希望の金額を残高に追加すれば再び同じパッケージを利用できる。料金追加は空港を含む台湾大哥大店舗、台湾市内のコンビニの自動料金支払い端末、オンラインとのこと。またデータ通信設定は以下となる。
- APN:internet
- ユーザー名:なし
- パスワード:なし
通信速度はいずれも高速、3Gよりもオススメ
さて各社同じLTEといっても回線品質はどうなのだろうか? 今回は実は台湾で通販販売されたばかりのパナソニック製「ELUGA U2」の購入のために1泊2日の駆け足滞在、しかも各地を動き回ったため細かい速度チェックは行うことはできなかった。とはいえ台北市内は各社ともほぼLTEでの接続が可能、3Gに落ちるシーンはほとんどなかった。
通信速度は台北101付近で遠傳電信が50Mbpsを記録したが残念ながらスクリーンショットは撮れず。帰国日に台北駅付近のファストフード店の店内窓際で速度を図ったのが以下の結果だ。
この結果からは遠傳電信が一番最速と思えるが、実際に使った感じでは遠傳電信と台湾大哥大には体感的な差はあまり感じられず。また亞太電信は複数計測して下りが10Mbpsを超えることはできなかったが、これは遠傳電信回線利用で制限がかかっているのかもしれない。現状では台北市内で使う分には3社それほど差はないと見てよいかもしれない。
いずれにせよ台湾はプリペイドSIMが安いので、亞太電信の定額SIMを購入し、音声も利用できる遠傳電信か台湾大哥大も購入して併用する、という使い方もよいかもしれない。現状でも十分高速なデータ通信環境を入手できる台湾、今後は最大周波数帯を保有する中華電信のLTEプリペイドSIMの販売も期待したい。
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