UQ、「WiMAX 2+」の広告表現の改善を表明 通信速度規制の運用改善の検討も
UQコミュニケーションズの「WiMAX 2+」における広告が波紋を呼んでいる。一部で集団訴訟を提起する動きも見られる中、UQが今後の対応についてWebサイト上で見解を発表した。
UQコミュニケーションズは7月14日、同社のホームページ上に「『3日間で3GB』制限に関する今後の対応について」という文章を掲載した。この文章では、同社の「WiMAX 2+」に関して、広告の表現の改善を早急に行い、2015年4月1日から導入された速度制限の制限方法の改善を検討することを表明している。
同社の通信サービス「UQ WiMAX 2+」は、2013年9月30日に発表され、同年10月31日にサービスを開始した。
9月30日の時点で公表されたWiMAX 2+の通信量や速度に関する制限は、以下のとおりだった。
- 「ハイスピードモード」(WiMAX 2+だけで通信するモード)では、契約から2年間は月間のデータ通信量を“上限なし”とし、2年経過後は月間7Gバイトの通信量制限がかかる
- 「ハイスピードプラスエリアモード」(「au 4G LTE」エリアでも通信できるモード)を利用すると、上記とは関係なく月間7Gバイトの通信量制限がかかる。また、3日間に1Gバイト通信した場合は、通信速度制限を行う
- ハイスピードモードにおける3日間に1Gバイト通信した場合の速度制限は、2015年4月1日から導入する
簡単にまとめると、「契約から2年間は、WiMAX 2+(とWiMAX)だけで通信すれば月間通信量制限なしだが、2015年4月から3日で1Gバイト通信すると、WiMAX 2+において速度制限がかかることがある」という状況だった。
2015年1月15日には、同年10月に迫る初期契約者の“2年縛り”解除を見越した新たな料金プラン「UQ Flat ツープラス ギガ放題」が発表され、同年2月20日に受付を開始した。この料金プランでは月間通信量が期間を切らずに上限なしとなる。
ギガ放題の発表時には、従来プラン(UQ Flat ツープラス)を含めて、WiMAX 2+において実施される「3日間に1Gバイト」制限を「3日間に3Gバイト」に“緩和”することも合わせて公表された。UQコミュニケーションズの野坂章雄社長は、制限時の通信速度を「YouTubeが標準画質で見られる程度の速度、具体的には700kbpsくらい」と説明していた。
このように、UQはWiMAX 2+で通信容量制限を導入すること、そして短期間で著しい通信を行った場合の速度制限を行うことを発表会ではしっかりと説明していた。また、筆者が2014年4月にWiMAX 2+を契約した際は、販売員から(正直うっとうしく思うぐらいに)速度制限に関して細かく説明を受けた。
しかし、ギガ放題のテレビCMや広告では、月間のデータ通信容量が無制限であることを強調しすぎるがあまり、通信速度制限の注意書きがほとんど目立たなかった。また、販売店でも、通信速度制限に関する説明が十分になされていない事例もあったようだ。
そして、「制限なし!」にひかれ、通信速度制限がかかることがあることを熟知しないまま契約したユーザーが、宣伝文句通りの“ギガ放題”な通信をした結果、速度制限がかかり、「見た(聞いた)ことと違う!」として苦情を申し立てる事例がネットなどで散見されるようになった。とりわけ、実際に制限行われるようになったとされる5月下旬以降、苦情は目に見えて多くなり、中にはUQへの集団訴訟を呼びかけるブログまで登場している状況だ。
今回、UQが発表した文章はこのような背景を踏まえたもので、広告表現において「より分かりやすく誤解のない内容に速やかに改善」することを表明している。UQのホームページ上の商品説明では、すでに混雑回避のための速度制限がかかる旨の説明がさまざまなところに追記されていることが確認できた。
また、「3日で3Gバイト」という速度制限条件について、当面の間はこのままであるものの、「現行よりもさらに速度を上げ、規制後のご不便を緩和する方向で運用していく」ことを表明している、今後は、「より利便性の高い運用方法」を検討していくこととしている。
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