RTM相当? Windows 10最新プレビュー「Build 10240」――EdgeがChromeより高速というテスト結果も:見た目はほぼ製品版か
Windows 10のRTMともウワサされる最新プレビュー「Build 10240」が公開された。新標準ブラウザ「Microsoft Edge」は、JavaScriptテストでChromeとSafariより高速な結果が得られたという。
米Microsoftは7月15日(現地時間)、Windows Insider Program参加者向けに次期Windowsプレビューである「Windows 10 Insider Preview」の最新版「Build 10240」を公開した。
Fast Ring(すぐに更新する)設定だけでなく、Slow Ring(少し遅れて安定したBuildを更新する)設定のユーザーにも同時公開されており、Microsoftアカウントでログオンすることで、Windows Updateから自動もしくは手動で更新できる。
7月13日に発表された通り、Windows 10のリリースに向けて、Windows Insider Programのページでは最新Buildの配布を一時停止しており、ISOのダウンロードページにアクセスできなくなっている。今回のBuildは、すでにWindows 10 Insider PreviewをインストールしたPCのユーザー向けにWindows Update経由で提供されるものだ。
同社OSグループでエンジニアリンググループマネージャーを務めるガブリエル・オウル氏によれば、Build 10240は7月29日に一般ユーザーへ配信する内容により1歩近づいているそうで、これまでデスクトップの壁紙にあったBuild番号の透かしがなくなった(検索窓から“Winver”コマンドを入力すればBuild番号を確認可能)。また一般公開までの2週間の間で、いくつかのWindows UpdateとWindowsストアのアプリアップデートを予定しており、ユーザーに日々の更新をチェックしてほしいと述べている。
Build 10240はOEM向けに出荷される「RTM(Release To Manufacturing:量産出荷版)」同等と報じている海外メディアも少なくないが、Microsoftは明言せず、Windows 10はリリース後も更新し続けるとしている。また、オウル氏はWindows公式ブログに「少なくともあと1回はWindows Insidersに楽しいサプライズがある」と書いており、リリース前にさらなる新情報があるかもしれない。
Build 10240ではWindows 10の新しい標準ブラウザ「Microsoft Edge」のパフォーマンスも向上しており、以下のJavaScriptベンチマークテストでChromeとSafariに勝る結果が得られたという。
- WebKitのSunspiderテストで、Chromeに対して112%高速
- GoogleのOctaneテストで、Chromeに対して11%高速
- AppleのJetStreamテストで、Chromeに対して37%高速
Windows 10の開発者は、7月29日公開の製品版Windows 10ツールを使って、Windowsデベロッパーセンターへ、ユニバーサルWindowsアプリをアップロード可能になる予定だ。
Windows 10のリリースに向けて、Word、Excel、PowerPointの各Officeモバイルアプリにも変更がある。PCとタブレット上ではOfficeのデスクトップアプリと区別しやすくするため、アプリの名前に“Mobile”が追加された(Word Mobileなど)。また、各アプリの名前から“Preview”が省かれ、1週間程度でWindows PCと大型タブレットではOfficeの編集作業にOffice 365のサブスクリプションが必要になるという(10.1型以下のデバイスで非商用の場合、表示とほとんどの編集はこれまで通り、無料のまま利用できる)。
なお、フル機能のOneNoteユニバーサルアプリについては、Windows 10にプリインストールされ、無料で編集作業が可能だ。
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