落雷から大切なPCやデータを守るためのポイント:SOHO/中小企業に効く「雷サージ対応製品」の選び方(3/3 ページ)
夏のIT機器運用で注意しなければならないのが「雷」だ。落雷によって機器の故障はもとより、大切なデータが一瞬で破壊されて読み出せなくなるのは致命的と言える。今回はSOHO/中小企業レベルで可能な雷対策を紹介しよう。
無停電電源装置(UPS)
雷サージに対応した無停電電源装置(UPS)も紹介しよう。今回紹介する2製品が備える雷サージ対応機能は、いずれもアナログ回線からの雷サージの侵入を防止するためのもので、電源ケーブル側からの雷サージの侵入を防げるわけではない点に注意したい。
シュナイダーエレクトリックの「SurgeArrest BE325-JP」は、雷サージ対応の電源タップにバッテリーを追加し、無停電電源装置として利用できるようにした製品だ。出力容量は325ボルトアンペア/185ワット、バックアップ時間は55ワット時で18分、170ワット時で1.9分と、無停電電源装置としての性能は控えめだが、5000円前後で買えるリーズナブルさは見逃せない。個口数は4で、そのうち2つがバックアップに対応する。最大サージ電圧は6000ボルトだ。
オムロンの「BZ50LT2」は、電話回線の雷サージを保護するためのポートを搭載した無停電電源装置だ。出力容量は500ボルトアンペア/300ワット、バックアップ時間は20ワット時で90分、300ワット時で3分。個口数は6で、そのうち3つがバックアップに対応する。出力容量が350ボルトアンペア/210ワットの下位モデル「BZ35LT2」も用意している。
雷サージ対応製品に頼らない、雷からの機器とデータの守り方
最後になったが、雷サージ対応製品に頼らず、全く別のアプローチで雷による被害を軽減するための方法についても紹介しておこう。
1つは機器をなるべくケーブルレスで運用することだ。雷サージは大気中から侵入することもあるが、その多くは電源ケーブルやLANケーブルを経由して侵入する。ということは、これらのケーブルがなるべくない状態、つまり電源であればバッテリー駆動を主体にし、LANは有線ではなく無線を使うことで、雷サージによる被害を軽減できるというわけだ。
デスクトップPCをバッテリーで駆動させるのはさすがに無理だが、ノートPC、あるいはタブレットであれば、不可能な話ではない。また有線LANを無線LANに切り替えるのは、モビリティを向上させられる利点も含めて、検討に値するだろう。
もう1つ、データのバックアップについては、クラウドもしくは遠隔地へのバックアップがおすすめだ。雷サージによる機器の破壊は、同じ施設内にある機器全てに及ぶため、データがそのバックアップとまとめて破壊されてしまう危険性もある。
こうした点から、クラウドを経由して遠隔地にバックアップしておけば、いざというときの備えになる。遠隔地のバックアップデータともども消失することは、まず考えにくいからだ。たとえ機器は壊れても中のデータだけは守りたい場合、こうした運用も検討してみてはいかがだろうか。
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