少し未来のWindows 10をプレビュー版「Build 10532」で体験する――日本語版「Cortana」は何ができる?:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(3/3 ページ)
「Windows 10 Insider Preview」では、正式版より“少し未来のWindows”をいち早く試せる。新ビルドで追加された日本語版「Cortana」を使ってみると、悩ましい日本語処理の問題も出てきた。
悩ましい日本語処理、今後の強化は積極的なフィードバックを
実際に使ってみると分かるが、日本語版Cortanaはまだ実装がスタートしたばかりの“ひな形”に近い状態で、今後のさらなる改良が必要だ。未実装な機能もさることながら、音声入力の精度やフレーズの構文解釈でいろいろ課題がある。
英語ではそれほど発音がよくなくても単語が比較的正確に認識されるが、日本語では文字の正確な発音だけでなく、文節の区切りをうまく認識できず、おかしな文章になってしまうことが多い。また「発音した音声を正確に漢字変換」するという問題もある。ある程度は構文解釈時に修正可能だとみられるが、単語検索やカレンダーへの入力など、音声のみで思った通りの漢字を入力するのはなかなか骨の折れる作業だ。
英語の場合、より正確に構文解釈させるために「口調ではなく、より正確でリッチな表現を用いる」ようMicrosoftではアドバイスしている。現状の日本語版ではフレーズを長くすればするほど変換精度が落ちてしまうため、当面は単語区切りでなるべくフレーズを短めにCortanaに話しかけるのが、(意図した通りの)正確な入力を実現するためのコツかもしれない。
また、できることは少ない一方で、カレンダーのイベント入力など特定用途ではかなり使い勝手がいいとも感じた。「(クライアントとの会食)をカレンダーに追加」と話かけた後、「開始時間は20時」「開始時間を20時30分に変更」といったように次々と話かけるだけで予定の追加や修正が簡単に行えるため、対話型インタフェースのメリットをある程度感じることができた。
今後は日本語版で対応可能な処理やアプリも増えてくるとみられるため、より使い勝手は高まっていくだろう。
Microsoftによれば、現在の日本語版Cortanaは機能が限定されているだけでなく、音声も製品版での提供とは異なるものになっていると説明している。一方で、ユーザーからフィードバックを得ることで今後Cortanaも次々と進化していき、さまざまな機能に対応し、認識精度も向上することが期待できるという。実際に利用し、Microsoftへと意見を出していくことが製品改良における最良の道ということだ。
Cortanaの進化の足跡は今後も公式ブログ(Japan Windows Blog)で報告されていくとみられるため、興味ある方はぜひ適時チェックして、Cortanaの改良に協力してみてほしい。
関連キーワード
Cortana | Windows | Windows 10 | Microsoft
関連記事
- 「Windows 10」大特集
Siriさんに追いつけるか:日本語が話せるコルタナさんは何ができる?
最新ビルドで日本語に対応したWindows 10の音声対応パーソナルアシスタント「Cortana」を試してみた。ついに!:日本語で「Cortana」が使えるWindows 10最新ビルド「10532」リリース
雑談もできるよ。鈴木淳也の「Windowsフロントライン」:Android版「Cortana」はWindows 10版と何が違うのか?
日本語対応が待たれるWindows 10の音声対応パーソナルアシスタント機能「Cortana」。米国でAndroid版のパブリックβテストが始まったので、早速インストールしてみた。鈴木淳也の「Windowsフロントライン」:Siriのライバル「Cortana」がついに日本語対応――Windows 10はどう変わるのか?
Windows 10の音声対応パーソナルアシスタント「Cortana」が待望の日本語対応へ。Cortanaによって、Windows 10の操作がどのように変わるのかを掘り下げていこう。まずはWindows Insider Programで提供:Windows 10の「Cortana」は数カ月中に日本語テスト開始――礼儀正しく“お辞儀”するパーソナルアシスタント
Windows 10の音声対応パーソナルアシスタント機能「Cortana」は、数カ月中に日本語対応版がWindows Insider Program参加者に提供される。鈴木淳也の「Windowsフロントライン」:「Windows 10 TH2」も「Surface Pro 4」も今秋登場する?
公開されてから1カ月が過ぎようとしている「Windows 10」。今秋には早くもメジャーアップデートが提供されるかもしれない。同時期に投入される見込みのハードウェア新モデルにも注目だ。Windows 10 Insider Previewの最新ビルド「10525」リリース
Windows 10リリース以降、初の新ビルドは個人設定に配色のオプションが加わり、メモリマネージャーが改良された。鈴木淳也の「Windowsフロントライン」:「Windows 10」アップグレードは予想外の展開へ
待ちに待った「Windows 10」無料アップグレードの提供開始。しかし、7月29日からのアップグレード対象マシンの挙動は予想外のものだった。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.