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デスクトップ版CPU&GPUを積んだ爆速ゲーミングノート「NEXTGEAR-NOTE i71000」を徹底分析ついにG-Tuneにも登場!(3/3 ページ)

G-Tuneに加わった「NEXTGEAR-NOTE i71000」シリーズは、ノートPCでありながらデスクトップ用のCPUとGPUを搭載した実にユニークな製品だ。その爆速性能を見ていこう。

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間違いなくデスクトップのゲーミングPCとタメを張る3Dパフォーマンス

 それでは、本製品のパフォーマンスを計測していこう。まずはWindows Experience Index値。最も低い値はディスクスコアの8.15。CPUとメモリはこれに続く8.4で、グラフィックスは8.8、ゲーム用グラフィックスは9.9というスコアだ。最低でも8ポイント以上ということで、どのような用途でも十分なパフォーマンスを発揮してくれることは間違いない。ディスクスコアに関しては、Serial ATA 3.0接続のSSDということもあるが、HDDを搭載する製品と比べれば高いスコアだ。

Windows Experience Indexの結果

 それではCINEBENCH R15でCPUパフォーマンスを見てみよう。CPUは800cb、CPU(Single Core)は164cbだ。Core i7-6700Kではなく無印の6700なので、動作クロックが少し低くスコアもG-Tune NEXTGEAR-NOTE i71101と比べるとCPUで76cbほど低い。

 ただし、ゲーム用途であれば十分なパフォーマンスであり、モバイル向けの第6世代Core iプロセッサのクアッドコアモデルよりも高クロックである分パフォーマンスは高い。Core i7におけるコストパフォーマンスのよさ、という点ではこれがベストの解といえるかもしれない。

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CINEBENCH R15の結果

 次はPCMark 8でシステムパフォーマンスを見ておこう。PCMark 8のHomeスコアは4842ポイント。これもWebやエンターテインメント中心となる家庭向けのアプリケーションにおけるパフォーマンスの高さを示している。なお、ベンチマーク中のCPUクロックは最大で3992.2MHz、CPU温度は最大で64度だった。CPUクロックは製品仕様通り出ており、温度に関しても不安はないと言えるだろう。

PCMark 8の結果。Homeスコア
PCMark 8実行時のCPUクロック
PCMark 8実行時のCPU温度

 ここでストレージのパフォーマンスを見ておこう。評価機に搭載されていたのはADATAのSP550(120GB)。Serial ATA 3.0接続の2.5型SSDだ。CrystalDiskMark 5.1.2でのシーケンシャルリードは553.3MB/秒、同ライトは454.9MB/秒。トップパフォーマンスはSerial ATA 3.0接続のSSDとしては十分に速いクラスと言えるだろう。

 また、4KQ32T1のリードは342.9MB/秒、同ライトは296.5MB/秒。ライト側のパフォーマンスで言えば、下手なM.2 SSDよりも高速である。最も、パフォーマンスよりも容量のほうがBTO時に悩むところだろう。120GBモデルの場合、空き容量が83GB程度で、SSDのパフォーマンスを維持するためにある程度の空き容量を確保しておかなければならない点を考慮すれば、実際に使用できる容量は50GB程度ではないだろうか。ゲームタイトルをインストールするには少ない。BTOではSSDの容量も512GBまで選択でき、あるいはセカンドベイにHDDを搭載することも可能だ。ストレージに関してはBTOでカスタマイズし、目的に合った容量を確保するのがよいだろう。

CrystalDiskMark 5.1.2におけるCドライブのスコア

 続いてグラフィックス性能に目を向けてみよう。まずは3DMark。Fire Strikeのスコアは11091ポイントだった。メーカー公称値は13100ポイントだが、実機ではセキュリティ対策ソフトなどの常駐ソフトがリソースを消費するため若干低く出るため、このあたりのパフォーマンスに落ち着く。

 ただし、こうした万全の状態であっても、最新ゲームを十分に快適にプレイできるのは、次の実タイトルによるベンチマークで明らかだ。その前にGPU温度について確認してみると、Fire Strike実行中の温度は最大で71度だった。GPU温度の危険域は80度なので、まだ若干の余裕がある。動作音に関しては、普段のアイドル時はきわめて静かだが、さすがにベンチマークを実行すると一気にファンの回転数が上がる。気になる方はヘッドフォンでのゲームプレイがよいだろう。

3DMark Fire Strikeのスコア
3DMark Fire Strike実行時のGPU温度情報

 それでは実タイトルベースのベンチマークとしてファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマークから見ていこう。まずはDirectX 11、1920×1080ピクセルで実行した高品質設定のスコアだが、12547と非常に高い結果だ。もちろん「非常に快適」という評価でフレームレートも96.224fpsほど出ている。これならV-SYNCをオンにしてプレイできる。

 そこで3840×2160ピクセルでもテストしてみたところ、こちらも3850ポイントで、「快適」という評価だった。フレームレートは29.536fpsで、判断基準となる30fpsのギリギリのラインだ。本製品の場合、パネルの仕様が1920×1080ピクセルなので、GeForce GTXの機能の一つである「DSR」を利用することになるが、一度3840×2160ピクセルで書き出した画像を1920×1080ピクセルにダウンサンプリングすることで、より美しい映像を得られる点がメリットだろう。

ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマークの結果(1920×1080ピクセル/DirectX 11)
ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマークの結果(3840×2160ピクセル/DirectX 11)

 続いてStar Wars バトルフロント。1920×1080ピクセル、最高画質でのフレームレートは平均100fpsを超えており、最小フレームレートも89fpsとなった。これもV-SYNCを有効として滑らかな映像が得られるだけのパフォーマンスだ。

 次はFallout 4。こちらも1920×1080ピクセル、Ultra画質時でも平均92.794fps、最小86fpsだった。これならばMODをいくつか追加しても余裕がある。

Star Wars バトルフロントのフレームレート
Fallout 4のフレームレート

 次はRise Of The Tomb Raiderの結果。NEXTGEAR-NOTE i71101のレビューの後、アップデートによって新たにベンチマークモードが追加されたのでこちらを使用してみた。

 三つのシーンを自動進行するベンチマークだが、二、三番目のシーンの負荷が高いようで、ここでフレームレートが低下する傾向にある。ただし、時折不自然にフレームレートが低下するので、その回の計測は排除し最小fpsを計算している。解像度は1920×1080ピクセルとしたうえで、まず画質プリセットの「最高」を試したところ、平均79.87fps、最小32.52fpsだった。最高プリセットではやや余裕のある値なので、プリセット以上の高画質化を狙ってみたところ、FXAAに加え全てピュアヘアなどの値を最高に引き上げた場合で平均60.71fps、さらにFXAAからSSAAx4に引き上げた場合で平均36.53fpsとなった。最小fps側も低下するが、映像を見た印象としては、SSAAx4でもプレイは可能だろう。

Rise Of The Tomb Raiderのベンチマーク結果

 最後はGrand Theft Auto V。ビルトインベンチマークを用い、平均はPass0~4の平均を、最小はPass2の値を参考にした。1920×1080ピクセル、TXAA+4xAAのほか全ての項目を最大に引き上げた状態で、平均50.264fps、最小29.431fps。これも十分に快適なプレイが望めるフレームレートを記録した。

Grand Theft Auto Vのベンチマーク結果

今後のゲームやVRに対応できるだけの余力あるゲーミングパフォーマンス

 ここまで紹介してきたとおり、パフォーマンスに関しても、ほぼデスクトップのゲーミングPCと対等のパフォーマンスを示している。GeForce GTX 980自体、フルHD超を狙うセグメントのGPUだけに、現行タイトルを本体フルHDパネルで楽しむぶんには余力があり、この余力は将来のタイトルでも活躍してくれるだろう。

 一方、2016年の話題としては、VRが挙げられる。現在表明されているVRヘッドセットが求めるパフォーマンスはGeForce GTX 970以上だ。デスクトップ版GeForce GTX 980と同等のパフォーマンスを持つ本製品なら、十分にこの条件をクリアできる。

 今回の評価機であるブロンズモデルの執筆時点での価格は26万9800円(税別)。デスクトップで同等の構成はおよそ18万円程度になるが、デスクトップ版GeForce GTX 980を本来制約のあるノートPCのフォームファクターに搭載した点は高く評価できる。液晶ディスプレイやイルミネーションキーボードも含めたシステム全体としての価格と考えればまずまず妥当なところだろう。モバイル向けGPUをSLIで搭載する上位シリーズに比べて、コストパフォーマンスも高い。

 ハイエンドデスクトップに肩を並べる性能が持ち運べる本機であれば、メインマシンとしてはもちろんのこと、仲間内でPCを持ち寄るゲーム大会やVRコンテンツの開発などにも活躍してくれるはずだ。

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