Apple WatchになくてGalaxy Watch Activeにはある「血圧測定」機能とは?:ITはみ出しコラム
ディスプレイ折りたたみスマホ「Galaxy Fold」の陰に隠れてしまった感もありますが、Samsungが同時発表したスマートウォッチ「Galaxy Watch Active」にも注目です。
韓国Samsung Electronicsが2月20日(米国時間)、米サンフランシスコで新製品発表会「Galaxy UNPACKED 2019」を開催しました。
話題をさらったのは、何といっても“ディスプレイごと折りたためる”スマートフォンの「Galaxy Fold」です。昨年11月にチラ見せしたプロトタイプでは、分厚いシルエットに「ちょっと大丈夫かな」という不安を感じましたが、Galaxy Foldはかなりすっきりしました。
でも今回はGalaxy Foldの話ではなく、一緒に発表されたスマートウォッチ「Galaxy Watch Active」の新機能についてです。
米Appleの後追いといわれがちな同社ですが、Galaxy Watch Activeは「Apple Watch」にはまだない、「血圧を測る」機能を追加しました。3月にリリース予定の専用アプリ「My BP Lab」(私の血圧ラボ)をインストールすると可能だとプレスリリースに書いてあります。
ただ、この機能を使えるのは米国、カナダ、シンガポール、オーストラリア、ドイツの5カ国と発表していて、日本は含まれていません。
製品ページには血圧計の話はなく、どこにそのためのセンサーがあるのかも分かりませんが、ケースの背面でしょうか。
SamsungはこのMy BP Labアプリをカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)と共同開発したそうです。アプリ名で検索したら、Androidスマホ向けのアプリとして、既にGoogle Playストアで公開されていました。「Galaxy S9/S9+」か「Galaxy Note9」で利用できます。
SamsungとUCSFは昨年2月の時点で、スマホアプリとしてのMy BP Labを発表していました。Galaxy S9などに搭載された光学センサーを利用して、外部のハードウェアなどをつながずに、血圧をスマホで直接計測できます。My BP Labの紹介動画には、スマホ背面のセンサー部分に人差し指を当てている様子が出てきます。
これがいつも腕に巻いて使うスマートウォッチのアプリになるということは、自分で積極的に計測しなくても、トラッキングしてくれるのかもしれません。もしそうなら、ナマケモノでも続けられそうです。
UCSFで20年以上血圧の研究をしているウェンディ・ベリー・メンデス博士はプロジェクトの紹介動画で、ずっと研究室でデータを集めていたところ、SamsungからGalaxyでのデータ収集の提案があり、データ収集が飛躍的に楽になったと語っています。
つまり、もともとあったプロジェクトの効率化をSamsungの方から申し出たのでした。UCSF側の目的は、ストレスと感情が生理的反応性にどう影響するかのデータを集め、ストレス関連疾患の研究と治療に役立てることだとあります。アプリはあくまでも研究目的で診療には使わず、だから米国医療機器規制当局(FDA)の認可は必要ないようです。
こんなことができたのも、Samsungが40年以上前からベイエリアにSamsung Research America(SRA)を構え、シリコンバレーの人材をハントしつつ北米のいろんな大学とコラボしているから。ここではAIやデジタルヘルス、もちろんモバイルや5Gなどについての研究も活発に行っており、これからも面白いものを見せてくれそうです。
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