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2020年のSurfaceハードウェア祭りはミドルレンジが狙い目?Windowsフロントライン(2/2 ページ)

例年、秋の10月はMicrosoftがSurfaceに関する発表会を開き、新モデルの投入をお披露目する時期だ。それを前に、飛び交っているさまざまなキーワードを整理した。

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ミドルレンジを狙う新しいSurface Laptop

 前述のキーワードの話題にも出てきたザック・ボーデン氏はWindows Centralの記事中で、Microsoftは12.5型のディスプレイサイズを持つミドルレンジ市場をターゲットにしたクラムシェル型ノートPCを準備中だとしている。

 スペック的には第10世代のCore i5プロセッサ、4GBメモリ、64GBのストレージを搭載し、OSにはWindows 10のS modeのものを採用、価格帯は500~600ドルのレンジを狙うという。位置付け的には最低構成価格が399ドルのSurface Goと999ドルのSurface Laptopの中間的存在であり、これまでSurfaceのラインアップでは手薄だったミドルレンジ帯を埋めるものになるようだ。

 なお、この新しいラインのSurfaceの開発コード名は「Sparti」だという。

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 実際のところ、4GBメモリに64GBのストレージという構成はWindowsとして決して使い勝手がいいわけではないが、OSのライセンス料を含めてギリギリのコストダウンで許容できる範囲のスペックに収まっており、PCへの入門や軽い作業などには問題ないだろう。

 Surface Goの下位モデルにあったようなスペックの不足感もない。備えるスペックにしては“やや割高”という印象もあったSurface Laptop 3だが、今夏には上位モデルで300~400ドル程度の割引提供が行われ、下位モデルでも200ドル割引で799ドルまで値段が下がっており、手頃感が出てきている。

 昨今、コロナ禍のWFH(Work From Home)やSFH(Study From Home)需要でPC市場がにわかに活況を呈しているが、一方で需要の先食いによる反動も想定され、特に2020年後半から2021年以降はさらに支出抑制の影響が強まると考えられる。主力製品のディスカウント販売もそうだが、今後はミドルレンジ製品ラインを拡充し、こういった変化に対応していくことが重要だというのが、Spartiが登場した背景なのだろう。日本での価格は不明だが、このようなニーズに対応できる形でデビューしてほしい。


Surfaceシリーズの中では低価格な「Surface Go 2」

 Sparti以外のデバイスだが、現状では「Surface Pro」「Surface Pro X」「Surface Hub」のアップデートが行われるとみられている。Surface Hub 2Sについては従来のWindows 10 Team Editionに加えて「Windows 10 ProまたはEnterprise」が動作可能なオプションが発表されたばかりだが、引き続きラインアップそのものを強化していくようだ。

 一方で、一時期うわさされていた「Windows 10Xを搭載したクラムシェル型ノートPC」の登場は2021年春になる見込みで、当面はSurface Proの系譜が主力となるアップデートが中心となりそうだ。

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