フルHD/30fpsのネットワークカメラ「SpotCam Eva 2」の実力をチェックした:実売約7千円で24時間のサーバ録画に対応(3/3 ページ)
SpotCamの新型ネットワークカメラ「SpotCam Eva 2」は、従来モデルから大幅にプライスダウンして機能をブラッシュアップした注目の1台だ。スマートディスプレイとの連携機能を含めてチェックしよう。
スマートディスプレイでの映像表示は「とりあえず映るだけ」
さて本製品は、AlexaやGoogle Homeと連携して、「Echo Show」や「Google Nest Hub」といったスマートディスプレイから映像を見ることができる。
設定方法はどちらもほぼ同様で、各アプリで「SpotCam」との連携アプリをインストールし、それぞれのデバイスから検出を行うだけだ。後は「SpotCamを見せて」と呼びかけることで、カメラの映像が画面に表示される。
これらはAlexaおよびGoogle Homeに元々備わっている機能を使っているので、それゆえ可能なのはライブ映像の表示だけだ。過去の映像をさかのぼって見たり、また画面をスワイプして向きを変えたりすることもできない。
正確に言うと、スマホアプリ上でパン/チルトを行えば、それと連動してEcho ShowやGoogle Nest Hub上の映像も向きが変わるが、それならば最初からスマホアプリで見ればいいだけの話なので、あまり意味はない。
ネックとなるのは安定性、および遅延だ。今回、第2世代の「Google Nest Hub」と、Showモードに設定した「Fire HD 10 Plus」でそれぞれ試用したが、前者はきちんと映像の表示までたどりつけるのが2回に1回程度で、あとはフリーズしたままいつの間にか終了してしまう。表示できる場合も1分近く待たされてようやく表示される有様で、およそ実用的ではない。
一方のFire HD 10 Plusは、比較的スムーズに表示されるものの、少し目を離しているとすぐに終了してしまうので、継続しての監視には全く不向きだ。
ちなみに同等機能を搭載したTP-Linkのネットワークカメラ「C200」だと、接続にかかるのは数秒、かつ10分程度は継続視聴できる。映像の遅延も、TP-LinkのC200はせいぜい5秒程度なのに対して、本製品は10秒程度の遅れはざらにある。
これらの結果からも分かるように、AlexaおよびGoogle Homeを経由してのカメラ映像の視聴は、できるできないで言うと「できる」なのだが、実用性はいまひとつだ。素直に、スマホアプリを使った方がよいだろうし、スマートディスプレイから見ることを前提に本製品をチョイスするのは、あまりお勧めしない。
スマートディスプレイとの連携は「スマートプラットフォーム」から行う(左)。Alexaは「SpotCam」スキルを有効にして連携させる(中央)。Google Homeは「デバイスの追加」で「SpotCam」を選択する(右)
クラウド保存型のネットワークカメラとしては優秀な製品
以上のように、スマートディスプレイとの連携ではややミソがついたが、カメラ本体の機能は豊富で、むしろ他社製品と比べても優秀な印象を受ける。24時間は無料で録画できるおトクなプランが付属することもあり、クラウド保存型のネットワークカメラを探している場合は、候補に入れておきたい製品だ。
気になるのはデータの保存先だが、「銀行レベルの暗号化とSSL技術」により、台湾のサーバーに保存するとされている。他社製品ではAES256ビットなど、具体的な暗号化の方法が記載されていることが多いが、本製品でそうした記述が(少なくとも目立つところには)ない。このあたりはもう少しユーザーが気にするポイントを把握し、不安を解消できる記述を心掛けてほしいと思う。
関連記事
2万円台半ばで高い完成度 クラウド対応ネットワークカメラ「SpotCam-HD-Eva」を試してみた
クラウド上に録画データを保存するため、外出先からのアクセスが容易、かつ設定も簡単なことから人気が高まりつつある、新タイプのネットワークカメラ。その1つであるプラネックスの「SpotCam-HD-Eva」は、まさに破格と言っていい製品だ。税込み2500円の低価格ネットワークカメラ「ATOM Cam」+Echo Showで監視システムを作って分かったこと
スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする連載。今回は低価格ネットワークカメラ「ATOM Cam」をスマートディスプレイと連携させた。スマートロックデバイス「セサミmini」をオートロック機能にこだわって試した
スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする連載。今回は後付けでドアに取り付けられるスマートロック「セサミmini」のオートロック機能をチェックした。新生「nasne」を試す! 競合TVチューナーと使い比べてみた
バッファローが、3月25日からAmazonの公式ストア限定で「nasne(ナスネ)」を発売する。現代版にアップデートされた新生nasneを、競合モデルと比較して使い勝手をチェックしたNASを安全に使うために──Web ブラウザ経由のログインに2段階認証を設定してみた
ASUSTOR、QNAP、Synology各社の最新NASキットにおける、2段階認証の設定について挙動を比べてみた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.