Windows 11のシェアは8.6%に 2022年に向けた改良の動き:Windowsフロントライン(2/2 ページ)
Windows 11が正式にリリースされてから2カ月近くが経過した。この間のシェア推移はどうなっているのか、Windows 11と10の状況を見ていく。
Windows 10の状況はあまり変わらず
以上を踏まえてみていくと、「October 2020 Update(20H2)」「May 2021 Update(21H1)」の合算シェアが68.1%で、先月の71.8%からやや微減となっているが、ほぼ無風といっていいだろう。減少分は今月から集計に加わった「November 2021 Update(21H2)」の3.7%の部分で、これを加えると先月の71.8%と同じになる。
今後、Windows 10のアップデート周期が年1回になることも加味して、Windows 10のバージョン間のシェア推移は、より緩やかなものとなっていく。バランスとしては、Windows 11がどれだけのペースでシェアに食い込んでくるかにかかっている。
AdDuplexの集計データについて、今後はWindows 10同士のバージョンシェアではなく、Windows 11の増加ペースを見るための参考値ということになるが、Microsoftがある程度感触をつかんだのならば、今後はよりWindows 10との機能面での差別化を図りつつ、プラットフォームの優位性を示してくるだろう。
前回の連載でも触れたが、「Windows on Arm」の64bnitアプリのエミュレーション機能は今のところWindows 11限定の機能になっている。もっとも、これが移行を促すほどの魅力的な機能的な差異かといえばまた別の話で、より多くのユーザーを新プラットフォームに誘導するだけの魅力的な機能はそうない。個々に異なるニーズがあり、移行のモチベーションも異なるからだ。
むしろ、Windows 11初期に見られたAMDプロセッサ利用時のパフォーマンス低下問題など、個々の問題を潰してきちんと移行先の環境を整えることの方が重要だろう。
例えばNeowinがRedditの報告を例に紹介しているが、UI描画回りのパフォーマンス問題について、Microsoftの開発チームは2022年内の改善を目標にしているという。順当にいけばWindows 11の22H2アップデートで改善が期待できるわけで、このようにWindows 10のEOS(サポート終了)までに少しずつ地道な改良を続けていくことが重要なのだろう。
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