「Windows 11 Home」をおトクに「Windows 11 Pro」へアップグレードする方法(1/2 ページ)
家電量販店で販売されているWindows PCのほとんどは「Windows 11 Home」をプリインストールしている。BYODなどで「Windows 11 Proじゃなきゃダメなんですけど……」と言われた場合などに備えて、「Windows 11 Pro」にアップグレードする方法を簡単に紹介しよう。
PCを動かすために最も重要なソフトウェアといえば「OS(オペレーティングシステム)」だろう。世の中のPCのほとんどはMicrosoftが開発したOS「Windows(ウィンドウズ)」を初期導入OSとして採用し、個人向けではほぼ全ての現行モデルは最新の「Windows 11」と共に出荷されている。
Windows 11は、用途に合わせて幾つかのエディションが用意されている。家電量販店で取り扱いのあるPCは、家庭での利用を想定して「Windows 11 Home」を搭載している。しかし、PCの使い道によっては上位エディションの「Windows 11 Pro」が必要となる。
Windows 11 ProをプリインストールするPCは、家電量販店でも販売されているがそれほど選択肢は多くなく、在庫していないケースもある。PCメーカーによってはカスタマイズ(BTO/CTO)モデルでWindows 11 Proの初期導入を選択できるものの、手元に届くまでに数日から数週間、場合によっては1カ月ほど掛かる場合もある。「そんなに待てないよ!」というケースもあるだろう。
そこで、この記事ではWindows 11 Homeを導入済みのPCをWindows 11 Proにアップグレードする方法を紹介する。家電量販店で急きょPCを購入した人はもちろん、手元のWindows 11 Home搭載PCをアップグレードしたい人の参考になれば幸いだ。
そもそも「Home」と「Pro」の違いって?
読者の中には「Windows 11 Homeで困っていないのだけれど?」という人もいるだろう。それもそのはずで、プライベートの普段使いではWindows 11 Homeで困るケースはほとんどない。
しかし、手持ちのPCを業務で利用する場合、Windows 11 Proにしかない機能の利用を求められることがある。オフィスなどに自前のPCを持ち込んで使う「BYOD(Bring Your Own Device)」が認められている場合でも、Windows PCの場合は規定上「OSはProエディションに限る」と定められていることも多い。
Windows 11 Proでのみサポートする主な機能は以下の通り。
- 「BitLocker」によるストレージの暗号化
- ストレージを暗号化することで、ストレージだけ盗まれても復元しづらくできる
- 別のPCでは「セキュリティキー」を入力しないとアクセスできない
- 「Windows Infomation Protection(WIP)」の利用
- 「個人ファイル」と「企業ファイル」を明確に分離できる仕組み
- 企業ファイルには企業側でアクセス権などの設定が可能(個人ファイルの格納フォルダーや外部ストレージとのデータのやりとりの制限も可能)
- 退職や部署異動などでPCの登録が解除された場合は、企業のファイルのみ削除される(個人のファイルはそのまま保持可能)
- 「Active Directory」「Azure Active Directory」への参加
- 「グループポリシー」の適用
- 「リモートデスクトップ(RDP)」のサーバとなる機能
- Homeエディションでもクライアントにはなれる
- オフラインアカウント(Microsoftアカウントにひも付かないアカウント)での利用
ほとんどが企業/団体において使うために必要な機能だが、BitLockerについては個人利用でも情報の盗難/流出リスクを軽減する側面で大きなメリットがある。もっというと、Proエディションは「Homeエディションの完全上位版」という位置付けなので、Proエディションにすることで犠牲になる(利用できなくなる)機能はない。
そのこともあり、筆者は自前のPCはほぼ全てProエディションでそろえている。
「Pro」と「Pro Workstation」の違いもチェック
ちなみに、個人ユーザーがライセンスを購入(利用)できるWindows 11には「Windows 11 Pro Workstation」もある。その名の通り、このエディションはPCベースのワークステーション(ハイエンドコンピューター)で用いることを想定したもので、Proエディションに以下の機能を追加したものだ。
- ストレージにおける「Resilient File System(ReFS)」の利用
- データの整合性確認、破損時の復元機能などを強化している
- 「Persistent Memory」のサポート
- メインメモリとしてもストレージとしても利用できるメモリモジュール
- 「SMB Direct」のサポート
ProエディションがHomeエディションの完全上位互換であることと同様に、Pro WorkstationエディションはProエディションの完全上位互換である。今回は説明を割愛するが、詳しくはMicrosoftのWebサイトで確認してほしい。
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