完成度を極めた新型「MacBook Air」 進化は「M2チップ」だけにあらず:本田雅一のクロスオーバーデジタル(4/5 ページ)
7月15日に発売される新しい「MacBook Air」は、Apple M2チップが搭載されることに注目があつまりがちだが、それ以外にも見るべきポイントはたくさんある。発売に先駆けてレビューする機会を得たので、見どころをかいつまんで検証しよう。
本体は熱くならない?
ファンレス設計ということで「使うのが難しいほど熱くならないか?」と気になっている人もいると思う。そこで、気温26度の環境で3DMark Wildlife Extreme Stress Testを実行している際の本体温度を放射温度計で測定してみた。
キーボード周辺部で一番熱くなったのはファンクションキーの中央周辺で、44度程度だった。ホームポジション部分は38度、EnterキーやTabキーなど、本体の左右端部は34度程度だった。放熱の一翼を担っているヒンジ中央の金属部(キーボードベゼルの中央奥)でも45度程度で、気温と連動して上昇することも無かった。
この温度傾向は、一般的なMacBook系列と似たチューニングだ。ホームポジションの温度はMacBook Proシリーズと変わりなく、操作時の快適性はしっかり確保されている。ただし、ファンクションキーの中央周辺に限れば、これまでテストしてきた多くのMacBook系列よりも2度程度高くなっている。
「膝やももに乗せて使うので、底面の熱も気になる」という人もいると思うの裏面の熱も計測してみたが、テーブルに載せた状態で最も熱い部位は44度に達する。本体の厚さが約1.13cmということもあってか、裏返して少し待つとすぐに36度以下で安定する。膝やももに乗せて使って熱いと感じることはまずないだろう。
ちなみに、気温26度の環境でCINEBENCH R23でマルチコアテストをリピート実行した際も発熱傾向に変わりはなく、一番高いの部位が約40度、キーボードのホームポジションが約36度程度に収まる。8コアCPUのフル稼働よりも、10コアのGPUがフル稼働の方が発熱につながるようだ。
よって、日常の利用シーンでは「何だか熱いなぁ」と感じることはほとんどないと考えてよい。
他のベンチマークテストの結果は?
今回、他にも新しいMacBook Airでさまざまななベンチマークテストを実施した。主な結果は以下の通りだが、先日テストした13インチMacBook Proと似た傾向を示している。
特筆すべきはバッテリー持ちで、動画の再生であれば計算上は18~20時間程度は充電せずに使えそうである。
AJA Sysytem Test Lite(SSDの読み書きテスト)
- 書き込み:毎秒2141MB
- 読み出し:毎秒2185MB
Geekbench 5.4.1
- Processorテスト(CPU)
- シングルコア:1910ポイント
- マルチコア:8912ポイント
- Computeテスト(GPU)
- スコア:3万442ポイント
バッテリー
バッテリー駆動時間は、Webブラウザから動画を連続再生する設定にした上で満充電にした後でACケーブルを外すというアナログな方法で計測した。
12時45分頃にケーブルを外して、21時45分時点(約9時間後)のバッテリー残量は42%となった。動画を連続再生してこれだけ持つのであれば、丸1日は余裕で持ち歩けるはずだ。
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