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「メタバース」は新しい価値観を根付かせるか? 2023年(とその先)を“夢想”してみよう本田雅一のクロスオーバーデジタル(2/5 ページ)

最近「メタバース」という言葉をよく聞くが、実は見方次第では「三度目の正直」的なブームともいえる。技術の進歩と社会の変化もある中で、この三度目の正直はようやく花開くのだろうか……? メタバースを切り口に、2023年とその先のテクノロジーについて“夢想”してみようと思う。

「三度目の正直」のメタバース 定着まで走り切れるか?

 「既視感がある」とは言ったものの、メタバースという言葉自体は意外にもその歴史が浅い。

 そのルーツは1992年のあるSF小説にあると言われているが、筆者が「アバター(Avatar)」という言葉を初めて聞いたのは、米Lucasfilm(ルーカスフィルム)が1986年に開始した「Habitat(ハビタット)」というオンラインゲームだった。このゲームは富士通が日本におけるライセンスを取得し、「富士通Habitat」として提供されることになった。Habitatは通信回線を通して「化身(アバター)」が仮想空間に集まる、いわば「MMORPG」の走りといえる存在だ。

 現在も、Habitatは初期の「メタバース」として頻繁に引用される。

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Habitatのプログラムは、主要な開発者の1人で、オンライン博物館「The Museum of Digital Art and Entertainment」の開設者の1人でもあるランディ・ファーマー氏が主導する形で「Neohabitat」としてオープンソース化された

 とはいえ、本当の意味でメタバースの可能性を示したのは、いうまでもなく2007年にLinden Lab(リンデンラボ)がサービスを開始した「Second Life(セカンドライフ)」だろう。Second Lifeの自由な世界観で構築された“異世界”では、実際の経済活動が営まれるようになり、大手企業もこの世界へと出店(出展)し始め、多様なユーザーが集って新しい創作なども行われるようになった。

 果ては、Second Lifeの中で流通し、リアルな法定通貨との交換もできる仮想通貨「リンデンドル(L$)」も流通するようになった。筆者も、一般ビジネス誌の特集でSecond Lifeについて意見を尋ねられたほどである。

 しかし、当時のSecond Lifeは世界自体の自由度が高い反面、ユーザーインタフェース(UI)、コンピュータの処理能力やネットワーク帯域(速度)が不十分だった。端的にいうと外的要因がもたらす「不自由さ」もあって、“大繁栄”という所までは至っていない。

 このような背景もあり、筆者はメタバースを少し冷ややかに見つめていた。


Second Lifeは、メタバースの可能性を大きく前に進めた存在だが、ある意味で時代を先取りしすぎた面もある。ただし、現在でもサービスは継続している

 米ラスベガスで先般開催された、世界最大のテクノロジショーケース「CES 2023」では、メタバースに関連する展示が多く見受けられた。ある意味で「第3世代」ともいえるメタバースブームは、今度こそサイバーワールドの中に定着するまで継続することができるのだろうか……?

 先に筆者なりの結論をいうと、今回は走り切ることができるのではないかと予想している。このことは、今後のPCのトレンドにも少なからず影響を与えるとも考えている。

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