ARグラスで仕事はできるか? スマホサイズの「XREAL BEAM Pro 5G」と老眼にやさしい「XREAL One」で試す(3/3 ページ)
ガッツリではないものの、出先でちょこっと仕事をこなしたいという場合の装備は軽い方が良い。狭いテーブルのスペースを占有しないよう、デバイスは小さい方が良い。それができるのが「XREAL BEAM Pro 5G」と「XREAL One」だ。
資料を並べながらのテキスト入力作業もOK
作業場所に到着したら、XREAL Beam Pro 5GとBluetoothキーボードを接続してから、ARグラスのXREAL OneをXREAL Beam Pro 5Gにつなごう。作業が長引きそうなら、充電端子に電源をつないでおきたい。
XREAL BEAM Pro 5Gの右側(グラスのアイコンのある方)にXREAL Oneを接続する。ARグラスをつなげると電力消費が激しくなり、内蔵バッテリーだけでは3時間ほどしか作業できないので、それより長引くようであればモバイルバッテリーなどをつなげて電源を確保しておこう
XREAL Oneは、本体のテンプルにあるボタンを使って、メニュー画面の呼び出しや、フォローモード(追跡)/アンカー(固定)モードの設定を行える。アンカーモードを使えば、眼の前に物理ディスプレイがあるかのような作業体験を得ることができる。
アプリウィンドウは、2つまで表示可能だ。文章を入力するための作業アプリウィンドウ(筆者の場合はGoogle ドキュメント)と情報を参考にするためのアプリウィンドウ、例えばChromeやGoogle フォトアプリなどを開いて並べておけば、アプリを閉じたり開いたりするといった手間が省けるだろう。
ウィンドウサイズはM-/M/Lの他に、β版ではあるが「広範囲表示」と呼ばれるワイドサイズも選択可能だ。アプリウィンドウの幅を広げたことで、他方のアプリウィンドウを覆ってしまうこともあるが、どちらかのウィンドウを移動させれば問題は解決する。
PC版とスマートフォンアプリ版では、Google ドキュメントのメニューの位置が異なるが、執筆中は文字カウント以外のメニューを使うことがないので全く問題ない。
IMEの違いによる影響だが、筆者はGoogle 日本語入力をPCでも使っているおかげで、Gboard IMEになったからといって変換しづらいと感じることはなかった。
実は、5年以上昔のことだがiPad Proを購入し、「これで出先でも、自宅リビングでもかっこよく仕事ができる!」と喜んであちこちに持ち歩いていたが、変換のしづらさにへきえきして、「iPadやiPhoneで仕事をこなそう」という意欲がすっかりなくなってしまったことがある。
多分、普段からmacOS標準の日本語入力で ことえりはもう存在しない仕事をしていれば、そう感じることもなかったのかもしれない。
というわけで、この原稿もXREAL BEAM Pro 5GとXREAL One、そして外付けキーボードで執筆している。
画像編集までこなそうと思うと、XREAL BEAM Pro 5Gのスペックでは難しいだろう。だが、テキスト入力であれば全く問題ない。しかも、資料のウィンドウを横に並べておける。
XREAL BEAM Pro 5Gならモバイルネットワークを利用できるので、別途スマートフォンやモバイルルーターを持ち歩くことなく、スマートフォンサイズの端末とARグラス、そして折りたたみキーボードといった最小限の荷物で、いつどこでも仕事ができる。
別のメリットもある。それはARグラス内の表示は数m先ということになっているので、老眼であっても文字や画像をはっきり見られるというものだ。15型ノートPCで2つのウィンドウを広げると、表示できる情報量が少なくなってしまう。情報量を増やそうと文字を小さくすると今度は見えなくなってしまう。
しかし、この組み合わせであれば、広々としたウィンドウを2つ並べて作業できる。ウィンドウサイズを大きくすれば、表示する文字を大きくすることもできる。荷物を軽くして老体への負担が、数m先に浮かぶように見える表示で老眼への負担が軽減されるのが、この作業環境だ。
デメリットについても触れておきたい。ノートPCで作業するよりも、設置にも片付けにも時間がかかる。ノートPCなら、パタンと折りたたんでバッグに入れるだけで済むが、XREAL BEAM Pro 5GとXREAL One、そしてキーボードという3つのデバイスを組み合わせた場合では、グラスを外し、XREAL BEAM Pro 5Gからケーブルを抜き、グラスのケーブルをきれいに折り曲げてグラスとともにケースにしまい、全部まとめてからバッグに入れるという手間がかかる。
さらに、ARグラス使用中に、周囲から奇異の目で見られる可能性があるということもデメリットに挙げられるだろう。もっとも、作業中はARグラスに用意されているエレクトロクロミック調光により、自分から周囲が見えないので気にならないのだが。
これらデメリットさえ甘受できるのであれば、XREAL BEAM Pro 5GとXREAL One(または他のXREAL Air 2シリーズ)は、ちょっと作業をしたいときの最高の相棒になるに違いない。
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