“ブルーライト”“まぶしさ”“チラツキ”を自動で抑制――新世代「FlexScan EV」は全PCユーザー必見か!?毎日使うなら、目に優しいディスプレイを(3/4 ページ)

» 2012年09月27日 10時00分 公開
[山口真弘,ITmedia]
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Paperモードをより使いやすくするための機能も装備

 もっとも、デザイナーやカメラマンなど、色の再現性が重要な作業をPC上で行なっている場合、いかに目にやさしいとはいえ、ディスプレイの色温度を常に下げた状態で使うわけにはいかないだろう。

 そこでFlexScan EV2436W-FSでは、特定のアプリケーションがアクティブになっている場合のみ、Paperモードをはじめとする任意のカラーモードを自動的に適用するためのオプション(Auto FineContrast機能)が用意されている。

 例えば、テキストエディタとWebブラウザはPaperモードで、それ以外のメディアプレーヤーやフォトレタッチソフトはMovieモードかsRGBモードで、といった具合に、自動的に切り替わってくれるのだ。ウィンドウがアクティブになった瞬間に自動的に切り替わるので、手動でオン/オフする必要はまったくない。極めてインテリジェントな機能だといえる。

FlexScan EV2436W-FSでは、PaperモードのほかsRGBモードやMovieモードなども含めて、設定した5つの表示モードをボタン操作でかんたんに切り替えられる(画面=左)。標準的な他のディスプレイでは、ブライトネスや色温度の調整こそ可能であっても、用途別のカラーモードがなかったり、複数のカラーモードで設定を維持するメモリ機能がなく、設定値をいちいち書き替えなくてはいけない製品も少なくない。また色温度を数字(ケルビンの値)で調整できる製品も少ないのが現状だ。Auto FineContrast機能を使えば、アプリケーションごとに表示モードを自動で切り替えるよう設定できる(画面=右)。ここではWebブラウザ(Chrome)がアクティブになった際にPaperモードに切り替わるよう設定している

 さらにFlexScan EV2436W-FSには「EyeCare Filter」と呼ばれる機能がソフトウェアで提供されている。これは画面上に紙のザラザラ感などのテクスチャ模様を表示することで、コントラストを抑制し、紙を見るような感覚で画面が見られるというものだ。テクスチャのパターンは複数登録されており、好みにあったものを選べる。

 ずいぶんと印象が変わるので、目にやさしい画面を追求したい人は、Paperモードと併用してみるとよいだろう。紙の質感を再現できるという点では、電子書籍を読むのにもぴったりといえそうだ。

独自のソフトウェアフィルター「EyeCare Filter」を適用することで、画面全体がザラザラした、紙のような質感を再現できる(写真=左)。ウィンドウはもちろん背景やツールバーにも一様に適用される。「EyeCare Filter」を適用(ON)した表示と非適用時(OFF)の表示(写真=右)。

ディスプレイのチラツキを抑える「EyeCare調光方式」も新しい

 ところで、LEDバックライトを内蔵した液晶ディスプレイでは、まれにチラツキ(フリッカー)が気になるという声も聞かれる。ディスプレイのバックライトは通常、高速に点滅を繰り返しており、点灯時間と消灯時間のバランスを変えることで、見た目の明るさを調整する仕組みだ。人によっては、この点滅がチラツキとして感じられるという。

 もっとも、通常の使い方でチラツキを感じるか否かは個人によって差があり、大抵の人は感じないといわれている。実際、筆者もどの液晶ディスプレイを見てもチラツキはほとんど感じないのだが、通常利用時にたとえ自覚症状がなくとも、複合的な要因の1つとして、眼精疲労の遠因となっている可能性は否定できない。また、一部のチラツキが知覚できるユーザーにとっては、まぶしさやブルーライトと同様に気になる問題だろう。

 通常の使い方ではチラツキを感じなくても、試しに画面の前でペンを上下に素早く振ってみると、ペンの残像が扇のように広がって見えず、まるで忍者が分身したかのように何本にも像が分かれて見えるのではないだろうか。このことから、普段は気付かなくても、液晶ディスプレイのバックライトが高速で明滅して光の加減を調整しているのが確認できる。

 さて、FlexScan EV2436W-FSはこのチラツキについて、高輝度設定時はチラツキの発生しない「DC(Direct Current)調光方式」を、低輝度設定時はDC調光方式が苦手とする低輝度時の色再現性も問題なくクリアする「PWM(Pulse Width Modulation)調光方式」を併用するハイブリッドの「EyeCare調光方式」を初めて採用している。

 DC調光方式では発光素子が点滅することなく、電流量で明るさを制御するため、原理的にチラツキが発生しない。PWM調光方式は発光素子の点滅時間で明るさを制御する方式だが、FlexScan EV2436W-FSの場合は高輝度時にDC調光を採用したことで、PWM調光が低輝度時に限定されるため、明滅の輝度差が小さくなり、チラツキが抑制できているという。

液晶ディスプレイにおけるPWM調光方式とDC調光方式の比較
調光方式 メリット デメリット
PWM 輝度の制御範囲が広い、設計・制御が容易 チラツキを感じる人がいる(特に低輝度域)
DC 原理上フリッカーが発生しない 低輝度で色再現性が低下する、輝度をあまり低く設定できない、回路構成が複雑になる

 このEyeCare調光方式により、チラツキを低減しつつ、DC調光方式だけでは限界のある低輝度環境での色再現性もしっかりフォローしているというわけだ。

 以下の写真では、画面の前でペンを振る代わりに、画面の前に置いたUSB扇風機の羽根の残像が見えるか否かで比較しているが、これを見ると輝度が一定以下になると羽根が“分身”することから、輝度の変化とともに調光方式の切り替えが行われていることが分かる。

 読者諸兄もこの記事をご覧のディスプレイの前で、一度ペンを振ってみる実験をしてみてほしい。LEDバックライト搭載ディスプレイのユーザーで、ペンが何本にも分かれて見えたり、普段は意識しなかったが、いわれてみるとチラツキが感じられるようであれば、EyeCare調光方式を採用したFlexScan EV2436W-FSにリプレースすることによって、眼精疲労の軽減につながる可能性はありそうだ。

USB接続の小さな扇風機を画面の手前に置き、フリッカーの有無を確認している様子。高輝度時のDC調光では発光素子が点滅しないため、羽根の形が円に近く見える(写真=左)。低輝度時のPWM調光では羽根が何枚にも“分身”していることから、知覚できない高速な点滅が繰り返し行われていることが分かる(写真=右)。とはいえ、FlexScan EV2436W-FSではPWM調光であっても、点滅の明度差の少ない低輝度時に限られるため、原理的にチラツキが抑制できているという

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提供:株式会社ナナオ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2013年3月31日

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