グリスが温まって、いよいよ液体窒素を使った冷却がはじまる。タンクから発泡スチロールの器に小分けした液体窒素を、カップラーメンのカップですくって銅製ポットに注いでいく。白煙たなびく「典型的な極冷オーバークロック」の光景が参加者のテーブルで展開するが、duck氏は「ただ注ぐだけではダメ」と液体窒素を使った冷却テクニックを説明する。
CPUをどんどん冷却してある一定の温度まで下がると、CPUは動作しなくなる。この現象をオーバークロッカーは「コールドバグ」と呼んでいる。このコールドバグが発生する温度を見つけることが極冷の第一歩になる。
コールドバグが発生する温度はCPUの個体差で異なる。使っているCPUでコールドバグ発生温度を見つけ出せたら、その温度直前で冷却温度を維持する「温度制御」が極冷で最も重要な「技」となる。液体窒素を自分で注いで冷却するだけに、温度の維持が最も難しい。ここが「ただ注ぐだけではダメ」という理由だ。
液体窒素が銅製ポットに残っている間はCPU温度も下がり続ける。液体窒素が銅製ポットからなくなってCPU温度が上がり始めたタイミングで適量の液体窒素を注ぐのが温度を一定に維持する“技”となる。
なお、駆動電圧についても極冷では設定値の“相場”が異なる。空冷レベルで安定動作する電圧では極冷状態で動作することが難しく、液体窒素でマイナス100度レベルになると、少なくとも1.5ボルト以上は必要で、1.9ボルトまでは上げられるとduck氏は説明する。
「コールドバグが発生する温度の発見」と「液体窒素冷却で温度を一定に維持する」に参加者はそれぞれのシステムで自分の手で液体窒素を注ぎながら挑戦した。しかし、この段階で、イベントの残り時間はわずか30分。コールドバグの温度を見つけるのさえ時間が足りない。本格的なオーバークロック大会は、1つの種目で2〜3時間を設けている。養生工作の時間もさることながら、「当たりのコアを探す」「コールドバグの起きる温度を突きとめる」などの試行錯誤に時間が必要だからだ。
しかし、わずか30分ながら参加者はコールドバグの起きる温度を突き止め、液体窒素冷却で難しい温度管理の技を習得しながら、5.2GHz、5.7GHzと定格3.2GHzのPentium G3258を着実にオーバークロックしていく。きょう初めて会ったメンバーなのに、二人で電圧設定の相談をしながら、役割を分担(1人はBIOSの設定、1人は温度監視と液体窒素注入)して試行錯誤を重ねていく。その姿と表情は、海外の大会で見た世界のオーバークロッカーたちと同じだ。
残念ながら6GHzを超えた参加者チームはいなかった。しかし、最後は全員が液体窒素の温度管理の難しさを口にし、かつ、その楽しさに気が付いた。
こうして、PC USER主催のオーバークロックイベントは、予定していた時間を大幅の超えてしまうほどに盛り上がった。この興奮を味わえるイベントを、インテルも予定している。時期はちょうど1か月後の9月6日で、場所は、秋葉原の「e-sports SQUARE」(予定)だ。参加条件やイベントの内容の詳細は後日公開の予定なので、気になるユーザーは、インテルファンサイト「Intel Club Extreme」に入会して情報をチェックするといいだろう。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2014年8月24日